
ChatGPTのマーケ戦略が「浅い・ありきたり」になる理由|型(WHO/WHAT/HOW)で自社専用にする方法【2026】
ChatGPTの回答が自社に合わないときは、プロンプトの言い回しだけでなく、参照する資料と選び方を見直します。戦略案の比較にも、コピーや調査の下書きにも使えます。WHO・WHAT・HOWは論点を整理する型ですが、型を埋めただけで顧客の需要や成果が確かめられるわけではありません。
「SNSを活用しましょう」「ターゲットを明確にしましょう」。間違いではなさそうでも、これだけでは明日の仕事を決められません。この記事では、ChatGPTへ渡す資料、返してほしい答え、採用前の確認を、ひとつの例でつなげます。
ChatGPTでできることと、人が確かめること
戦略に使えるかどうかを、ツール名だけで分ける必要はありません。任せる仕事と、結果を確かめる方法を一組にします。
| 任せる仕事 | 受け取るもの | 確かめること |
|---|---|---|
| 顧客の声を整理する | 発言の分類、困った場面、追加で聞く質問 | 元の発言と解釈が混ざっていないか。少数の声を全顧客へ広げていないか |
| 競合を調べる | 提供範囲・料金条件・訴求の比較 | 出典の本文と更新日。載っていないことを「提供していない」と決めていないか |
| 戦略案を比べる | 候補ごとの対象顧客、提供価値、実施条件、見送り理由 | 自社が提供できるか。需要の根拠、費用、担当者、継続負担があるか |
| 広告・メールの文案を作る | 同じ訴求の表現案 | 商品事実と一致するか。実績・体験談・効果を創作していないか |
| 実績を整理する | 前期との差、原因候補、次に確かめること | 期間・母数・指標の定義。欠測とゼロの区別。変化の原因を断定していないか |
検索機能を使える場合は、現在のWeb情報を調べることもできます。ただし、検索したことと原典で確認できたことは別です。回答内のリンクを開き、根拠がその主張を支えているか確かめます。機能の条件はOpenAIの検索ヘルプを参照してください。
一般論で止まる回答を、自社の判断につなげる
1. 会社紹介に加え、困っている場面と制約を渡す
業種や年商だけでは、誰の何を解決するかが分かりません。問い合わせの内容、選ばれた理由、断った仕事、担当できる人数など、今回の判断に関係する資料を用意します。顧客名や連絡先など不要な情報は除き、契約・社内ルールと利用サービスの条件で入力できる範囲を確かめてください。
【今回決めたいこと】
例:来月、既存ページの改善と新しいSNSのどちらを先にするか
【事業の条件】
商品・対応範囲/引き受けられない仕事/使える工数・予算
【顧客の記録】
相談の場面/選んだ理由/見送った理由/参照元・対象期間
【今ある接点と実績】
ページ・広告・紹介等/期間・母数・指標/計測できていないこと
【今回の出力】
候補、根拠、確認が必要なこと、最初の作業、担当者、見直す条件
2. WHO・WHAT・HOWを、仮説と事実に分ける
WHOは「どんな人が、どんな場面で困るか」、WHATは「その人へ提供できる価値」、HOWは「どこで知り、どう相談・購入するか」です。年齢や性別を埋めるために架空の人物を詳しく作るより、選択を変える場面と条件を先にそろえます。
- 顧客の記録:何に困り、何を比べていたか
- WHO・WHAT:誰のどの困りごとに、何を提供できるか
- HOW:知る接点から相談まで、どこを整えるか
- 小さく実施して確認:観測が違えば、前の仮説へ戻る
型そのものを整理したい場合はWHO WHAT HOW戦略の完全ガイド、目的から考える型との使い分けはWHYとの違いを参照してください。
3. おすすめと一緒に、選ばない理由も返してもらう
「SNSとSEOのどちらが正しいか」ではなく、現在の顧客・受注までの経路・使える時間で比べます。入力が足りない場合は、候補を決めずに確認事項を返すよう依頼します。条件が変わったために判断が変わったのか、同じ条件なのに理由なく変わったのかも区別します。
工務店の例:曖昧な依頼を、確認できる提案へ変える
以下は書き方を説明する架空の例です。ChatGPTを実行した記録や実在企業の成果ではありません。
「工務店の集客を考えて」だけなら、SNSや記事制作など候補は出せても、どれを先にするか判断できません。そこで「断熱改修に関する相談がある」「施工できる地域が限られる」「現地調査が必要」「既存ページに対応地域や相談の流れがない」という条件を、確認済み資料として渡した場合を考えます。
| 整理すること | この例での答え |
|---|---|
| WHO | 対応地域内で、冬の寒さや改修方法に困っている住宅所有者。年齢・人数・検索需要は資料がなければ未確認 |
| WHAT | 改修の選択肢と現地調査の流れを理解して、相談できる。光熱費の削減率は条件と根拠なしに約束しない |
| HOWの候補 | 既存ページに対象地域、対応工事、調査の手順、相談前の準備を追加する |
| 新しいSNSをすぐ始めない理由 | 流入を増やす前に、今来ている人が依頼条件を判断できるか確かめるため。既存流入もないなら、需要調査と接点づくりから比較し直す |
| 確認・観測 | 現場責任者が提供条件を確認。ページ閲覧、相談への遷移、対応可能な相談、受注を分けて記録する |
具体的になった理由は、人物像を細かく作ったからではありません。提供条件と相談の詰まりが分かり、候補を選ぶ理由を説明できるようになったからです。
コピーして使える5つの依頼文
[ ]を自社の資料に置き換えます。資料のない欄は「未確認」と書いてください。どの依頼でも、根拠のある内容とAIの仮説を分けます。
① 顧客の課題を整理する
[入力可能な顧客メモ・相談記録]を整理してください。
発言・確認できた事実・こちらの仮説を分け、参照箇所を付けてください。
誰が、どんな場面で、何に困っているかをまとめてください。
年齢や購買心理を資料なしに補わず、判断に必要な追加質問を示してください。
② 提供価値とメッセージを考える
[①で確認した顧客の課題]と[商品の提供範囲・実績の根拠]から、
伝える価値と文案を提案してください。
文案ごとに根拠と、まだ確認が必要な表現を示してください。
提供できないこと、裏付けのない効果・比較・成功事例は加えないでください。
③ 施策の優先順位を比べる
[顧客の情報収集・相談経路][既存施策の実績][工数・予算]を使い、
候補施策を比較してください。制作・確認・継続運用の負担も含めます。
各案の狙い、根拠、依存条件、最初の作業、見直す指標を示してください。
不足情報で結論が変わるなら、採用を決めずに確認事項を返してください。
④ 競合の公開情報を比較する
[自社と競合の公式URL・確認した資料]を比較してください。
提供対象・対応範囲・料金条件・公開された事例を、出典と確認日付きで整理します。
記載がない項目は未確認とし、「対応していない」と断定しないでください。
自社が追加できる価値の仮説と、それを確かめる資料を分けてください。
比較軸を選ぶところから確認したい場合は、競合分析の手順へ進んでください。
⑤ 過去の施策を次の判断へ引き継ぐ
[対象期間・母数・指標・実績]と[前回の施策・変更日]を整理してください。
変化した事実、考えられる原因、まだ判断できないことを分けてください。
欠測をゼロにせず、同時変更がある場合は効果を断定しないでください。
次に継続・修正・追加調査する候補と、その理由を示してください。
毎回説明し直さずに使うには
ChatGPTのProjectsでは、関連する会話・ファイル・指示をまとめられます。メモリも利用できますが、過去の情報をすべて保持するものではありません。利用範囲はプラン・地域・設定・組織の管理条件などで異なります。
実務では、承認した方針、参照資料、採用・見送りの理由を短い引き継ぎ資料にして残します。次の依頼で「今回参照した方針と資料」を確認すれば、古い案へ戻ったことに気づきやすくなります。別案件の情報を混ぜないため、プロジェクトの参照範囲や共有相手も確認してください。
ChatGPT・ほかのAI・専用サービスをどう選ぶか
ChatGPTは考える役、Claudeは整理役、専用サービスは戦略役、と固定する必要はありません。同じ資料と依頼を使い、自社の仕事で比べます。次の表は製品の優劣ではなく、選ぶための確認項目です。
| 比較すること | 確かめ方 |
|---|---|
| 資料を引き継げるか | 前回の方針・根拠・未確認事項を使って、次の依頼を再開する |
| 根拠を確かめやすいか | 結論の参照箇所を開き、引用・数値・計算が一致するか見る |
| 自社の業務へつながるか | 担当者が受け取って実行できる成果物になっているか確かめる |
| 負担と費用が見合うか | 入力準備、確認、修正、継続管理と利用料金を含めて比較する |
MyMarketerも同じ基準で検討してください。専用サービスであることだけで、正しい戦略や成果を保証できるわけではありません。任せる仕事の具体例はAIマーケターでできること、導入の全体像はAIマーケターとはにまとめています。
よくある質問
ChatGPTだけでマーケティング戦略を作れますか?
資料の整理、選択肢の比較、戦略の下書きには使えます。顧客の事実や提供条件が不足している部分は、資料を集めたり担当者へ確認したりする必要があります。出力を読みやすく整えたことと、戦略の妥当性が確かめられたことを分けてください。
有料プランなら回答は良くなりますか?
使える機能や利用上限はプランによって異なりますが、有料であることだけで今回の判断が正しくなるわけではありません。まず同じ資料で試し、必要な機能と確認・修正の負担を比較します。
前回と違う案が返ったらどうすればよいですか?
今回使った情報と判断基準を前回と比較します。条件が変わったのなら変更理由を記録し、条件が同じなら結論を変えた根拠を確認します。理由を説明できない案を、最新の回答というだけで採用しないようにします。
まずは、いま迷っている仕事をひとつ選ぶ
大きな戦略を一度に完成させようとせず、「既存ページのどこを直すか」「次の相談で何を聞くか」など、資料と結果を確かめられる仕事から試してください。任せた作業と人が直した部分を残すと、次回の依頼も改善できます。
具体的な依頼文と成果物を見たい方は、AIマーケティングチームの構築と成果事例をまとめた無料PDFもご覧ください。
自分で進める全体の手順はマーケティングを自分でやる方法、最初の施策選びは中小企業のマーケティングで解説しています。AIで戦略を立てる手順、目的別ツール比較、AIマーケティング入門も必要に応じて参照してください。
機能の参照先
2026年10月7日確認:OpenAI公式のMemory、Projects。機能の存在と、入力した資料を今回の出力で正しく参照できたことは別に確認します。
著者について

山本至人
200社以上の中小企業マーケティングを支援。WHO-WHAT-HOWフレームワークをAIに組み込んだMyMarketerの開発者。株式会社WHAT代表取締役。東京大学松尾研AI経営修了。法政大学法学部卒業。映像制作事業やDtoCアパレルブランドなど複数の新規事業立ち上げにCMOとして携わる。2023年株式会社WHAT設立。外部CMOサービスにて多くの企業のマーケティング支援を実施。東京大学松尾研AI経営修了。
- 株式会社WHAT 代表取締役
- 東京大学松尾研 AI経営寄付講座 修了
- 複数企業の外部CMOとしてマーケティング支援を実施


