
マーケティングを自分でやる方法|外注ゼロで成果を出す実践ガイド
「マーケティングを自分でやろう」と決めたものの、何から手を付ければいいか分からない。SNSをやるべきか、広告を出すべきか、それともブログを書くべきか——そんな状態ではないだろうか。
この記事でわかること
マーケティング=SNSや広告ではない。「売れる仕組み」を作ること
自分でやるための5ステップ(競合調査・チャネル選定の方法も具体的に)
自分でやって失敗する3つのパターンと、その回避法
「自分でやる」と「一人で全部やる」は違う、という話
「自分でやる」と決めた覚悟は正しい。外部CMOとして数十社の中小企業を見てきたが、最終的に強い会社は「自分で考えて、自分で判断できる会社」だった。コンサルに丸投げしている会社は、契約が切れた瞬間に元に戻る。
ただし、「自分でやる」と「一人で全部やる」は違う。ここを間違えると挫折する。この記事では、自分でやるための具体的な方法を出し惜しみなく書く。
まず前提: マーケティング=SNSや広告ではない
マーケティングを自分でやると決めたとき、最初にぶつかる問題がある。そもそも「マーケティング」の範囲が分からない。
多くの人が「マーケティング=SNS運用」「マーケティング=Web広告」と思っている。でも実は、SNSも広告もマーケティングの一部にすぎない。
マーケティングとは「売れる仕組みを作ること」。もっと具体的に言うと、「誰に(WHO)」「何を(WHAT)」「どう届けるか(HOW)」を設計し、それを繰り返し改善するプロセス全体のこと。
SNSや広告は、この中の「どう届けるか(HOW)」の一部。WHOとWHATが決まっていないまま広告を出しても、お金が消えるだけ。
つまり、マーケティングを自分でやるなら——
まず戦略を立てる(WHO→WHAT→HOW)
その上で施策を実行する(SNS、広告、SEO等)
結果を見て改善を回す(PDCA)
この順番を守ることが前提。「施策の前に戦略」の詳細はこちらの記事で解説しています
自分でやるための5ステップ

ステップ1 自社の強みを3つ書き出す
「うちの強みって何だろう?」と考え始めると、意外と出てこない。自分では当たり前だと思っていることが、実はお客さんにとっての決め手だったりする。
一番確実な方法: 既存のお客さんに直接聞く。
「なぜうちを選んでくれたんですか?」「他社と比べてどこが違いましたか?」——この2つの質問をするだけでいい。3〜5人に聞けば、共通する「選ばれる理由」が見えてくる。
電話でもメールでも、次回の打ち合わせのついでに聞くのでも構わない。これが戦略の土台になる。
💡 Tip: 「品質がいい」「対応が早い」は強みではなく、最低条件。「見積もり前に必ず現場を見に来てくれた」「専門用語を使わず分かりやすく説明してくれた」——こういう具体的な声が本当の強み。
ステップ2 競合を3社調べて、自社が勝てる場所を見つける
強みが分かったら、次は競合調査。難しく考えなくていい。自社と同じ地域・同じ業種で、お客さんが比較しそうな会社を3社ピックアップする。
調べること(各社15分、計45分でOK):
調べる項目 | 見る場所 | チェックポイント |
|---|---|---|
何を売りにしているか | 公式サイトのトップページ | キャッチコピーと最初の3行を読む |
どんなお客さんを狙っているか | 事例ページ・お客様の声 | 掲載されている業種・規模 |
価格帯 | 料金ページ・見積もり事例 | 自社との差 |
集客方法 | SNS・ブログ・広告の有無 | どのチャネルに力を入れているか |
3社分を並べたら、「競合がやっていないこと」「競合が弱いところ」を探す。そこが自社の勝ち筋になる。
例: 競合3社が全部「法人向け大型案件」を狙っているなら、自社は「個人・小規模案件に特化」するだけで差別化できる。
ステップ3 「誰に売るか」を1文で決める(WHO)
ステップ1の強みとステップ2の競合の穴が見えたら、「この強みが一番刺さるのは誰か」を特定する。
年齢や性別ではなく、「どんな場面で、どんな悩みを抱えている人か」で書く。
❌ 「30〜50代の男性経営者」(広すぎて施策に落ちない)
✅ 「設備の老朽化に悩んでいるが、メーカーに相談すると大規模更新を勧められて困っている中小工場のオーナー」(具体的。施策が見える)
1文で書けるくらい具体的になれば合格。WHO設定の詳細はこちら
ステップ4 チャネルを1つだけ選んで始める(HOW)
ここが一番迷うところ。SNS、ブログ、広告、メルマガ、Googleマップ——全部「やった方がいい」に見える。
でも、中小企業のリソースで複数チャネルを同時に回すのは物理的に無理。1つのチャネルで成果が出てから、次に広げる。これがマーケティングの基本中の基本——リソースの選択と集中。
チャネルの選び方(3つの基準):
WHOがいる場所: ステップ3で決めたターゲットが、どこで情報を探すか
自社が継続できるか: 月に何時間使えるかで制約される
3ヶ月で効果が見えるか: すぐ反応が取れるチャネルから始める
ターゲットの行動 | 推奨チャネル | 月の時間目安 |
|---|---|---|
「近くの○○」で検索する地域客 | Googleビジネスプロフィール | 月2時間 |
業界の課題を検索で調べるBtoB担当者 | SEO(ブログ記事) | 月3-4時間 |
SNSで情報を集める個人客 | Instagram or X(1つだけ) | 月3時間 |
既に接点がある見込み客・既存客 | メルマガ or LINE | 月2時間 |
「全部やる」のが最悪。5チャネルに手を出して全部が月2回更新なら、どのチャネルでも存在感はゼロ。1チャネルに全リソースを投下して突き抜けた方が、結果は出る。
ステップ5 月1回、30分だけ数字を見る
PDCAの最小単位。月に30分、以下の3つの数字だけ確認する。
見る数字 | 確認方法 | 判断基準 |
|---|---|---|
アクセス数(or 閲覧数) | Googleアナリティクス or SNSのインサイト | 先月と比べて増えたか減ったか |
問い合わせ数 | メール・電話・フォームの件数 | 月何件来ているか |
「どこで知ったか」 | 新規のお客さんに聞く | 自分のチャネルが効いているか |
この3つだけでいい。細かいCTRやCVRは後でいい。まずは「増えているか、減っているか」だけ把握する。
ポイント
5ステップの所要時間は、初回で合計3-4時間。月の運用は5-8時間。外注費ゼロ。このステップ通りにやれば、マーケの知識がなくても「売れる仕組み」の骨格は作れる。
自分でやって失敗する3つのパターン
パターン1「あれもこれもやって、全部中途半端」
Instagram、X、TikTok、ブログ、メルマガ——全部やろうとして、どれも週1回の更新がやっと。結果、どのチャネルでも反応はゼロ。
マーケティングの基本は選択と集中。限られたリソース(時間・お金・人)を、最も効果が出るチャネル1つに集中する。全チャネルに均等に分散させるのは、一番成果が出ないやり方。
私がCMOとして入った会社で最初にやることの一つが「やらないことを決める」。5つのチャネルに手を出していた会社に「3つ止めて、1つに集中しましょう」と提案すると、大体3ヶ月で目に見える成果が出る。「何をやるか」より「何をやらないか」を決めることの方が難しい。でもそこが勝負の分かれ目。
パターン2「正解が分からなくて、途中で手が止まる」
「このターゲットで本当に合ってるのかな…」「このSNS投稿、方向性は正しいのかな…」。こうした迷いが積もると、手が止まる。2週間更新が空き、3週間空き、気づけば1ヶ月放置。
これは「型」がないことが原因。WHO→WHAT→HOWを順番に埋めていけば方向性は定まるが、自分一人で型を埋めていると「本当にこれでいいのか」という不安が消えない。
正直に言えば、ここが「自分でやる」の最大のハードル。知識の問題ではなく、確信の問題。確信が持てないと実行に移せない。
💡 回避法: 最初の戦略だけは第三者に壁打ちするのが効果的。コンサルに頼む必要はないが、誰かに「この方向性、どう思う?」と聞ける相手がいると迷いが減る。AI戦略ツールを使えば、型に沿って30分で方向性を確認できる。確信を持ってからスタートすれば、途中で手が止まるリスクは大幅に減る。
パターン3「忙しくてPDCAが回らない」
これが最も多い失敗。戦略も作った、施策も始めた。でも日々の業務に追われて振り返りができない。「先月のブログ記事、何PVだったっけ?」——覚えていない。改善が回らないから、同じやり方を繰り返す。同じやり方を繰り返すから、成果も変わらない。
PDCAが止まる原因は「意志の弱さ」ではなく「仕組みがないこと」。人間は忙しくなると、緊急度が低い作業(=マーケの振り返り)を後回しにする。これは誰でもそう。
仕組みで解決する方法:
Googleカレンダーに「毎月1日 9:00-9:30 マーケ振り返り」を入れる
見る数字を3つだけに絞る(ステップ5参照)
施策の記録を1箇所にまとめる(スプレッドシートでもNotionでもいい)
ただ、これでも続けられない人は多い。施策の記録・検証・改善案をAIが自動でやってくれる仕組みがあれば、社長は月30分の判断だけで済む。MyMarketerのPDCA管理機能は、まさにこの「回し切れない問題」を仕組みで解決するために作った。
⚠ 注意: 3パターンに共通するのは「マーケティングの実行は、始めることより続けることの方が100倍難しい」ということ。始めるのは覚悟だけでできるが、続けるには仕組みが必要。
「自分でやる」と「一人で全部やる」は違う

ここまで読んで、「5ステップは分かった。でもこれを全部一人でやるのは大変そう」と感じたかもしれない。
その感覚は正しい。
「自分でやる」の本質は、自分で考えて自分で判断すること。手を動かす全てを自分でやる必要はない。
自分でやるべき部分 | 任せていい部分 |
|---|---|
ターゲット(WHO)の決定 | SNS投稿の作成 |
メッセージ(WHAT)の設計 | 広告の入稿作業 |
チャネル(HOW)の選択 | ブログ記事の下書き |
施策の優先順位判断 | データの整理・レポート |
PDCAの方向性判断 | 数字の集計・可視化 |
左列が「考える仕事」、右列が「動く仕事」。考える仕事は自分でやる。動く仕事はAIや代行に任せていい。
私がCMOとして見てきた強い会社は、全部この形。社長が方向を決め、実行の一部はスタッフや外注やAIに任せる。方向を決める力が社長に残っているから、何が起きても対応できる。
MyMarketerは、この「考える仕事」をAIと一緒にやるためのツール。型に沿って情報を入力するだけで、WHO→WHAT→HOWの戦略が30分で完成する。さらに、PDCAの記録・検証・改善提案を自動で管理する。
自分で判断する力は保ちつつ、型とPDCA管理をAIに任せる。これが「自分でやる×AIサポート」の組み合わせ。外注と違って、戦略が自分の中に残る。ツールを解約しても、身についた判断力は消えない。
よくある質問
マーケティングの知識がなくても自分でできる?
できる。ただし「マーケティング=SNSや広告」と思っていると失敗する。マーケティングは「売れる仕組みを作ること」。戦略(誰に・何を・どう)を先に作り、その上で施策を実行する順番を守れば、知識ゼロでも成果は出せる。
知識を勉強してから始めようとすると、永遠に始まらない。まずは5ステップに沿って手を動かしながら学ぶ方が早い。
自分でやる場合、最初に何をすべき?
既存のお客さんに「なぜうちを選んだか?」と聞くこと。これが自社の強みを確認する最速の方法。自分では当たり前だと思っていたことが、実はお客さんにとっての決め手だったケースは多い。
3〜5人に聞けば十分。電話でもメールでも、次の打ち合わせのついでに聞くのでも構わない。
自分でやるのと外注、どちらがいい?
理想は「戦略は自分で考え、実行の一部を外注する」形。自分で方向性を決められれば、外注先への指示も的確になり、成果報告の良し悪しも判断できる。
戦略の部分を丸投げすると、コンサル依存から抜け出せなくなる。コンサルの代わりを探している方はこちらも参照
自分でやって成果が出るまでどれくらいかかる?
一般的に3〜6ヶ月。1ヶ月で判断しないこと。
時期 | 状態 |
|---|---|
1ヶ月目 | 戦略設計+最初の施策実行。まだ数字は動かない |
2-3ヶ月目 | 施策の効果が少しずつ見え始める |
6ヶ月目 | PDCAが回り始め、成果が安定 |
焦って1ヶ月でチャネルを変えると、どのチャネルも評価できないまま終わる。
まとめ|自分でやる。ただし、一人でやる必要はない
マーケティングを自分でやると決めたあなたに、最後に伝えたいことは3つ。
マーケティング=SNSや広告ではない。「売れる仕組み」を作ること。戦略が先、施策は後
選択と集中。チャネルは1つに絞る。全部やると全部中途半端になる
「自分でやる」と「一人で全部やる」は違う。考える仕事は自分で。動く仕事はAIや外注に任せていい
自分で戦略を作り、自分で判断できるようになれば、どんな状況でも対応できる経営者になれる。コンサルに依存しない、外注先が変わっても困らない、その力は一生モノ。
「自分で戦略を作るのが難しい」「本当にこの方向で合っているか確信が持てない」と感じたら、MyMarketerの無料体験で型に沿って30分で戦略を作ってみてください。自分で判断するための「地図」が手に入る。その後の実行は、自分のペースで進めればいい。
参考文献
中小企業庁「中小企業白書 2024年版」— 中小企業のマーケティング実態
Byron Sharp『How Brands Grow』(2010年, Oxford University Press) — マーケティングの選択と集中(Double Jeopardy Law)
関連記事
関連記事
AIマーケターとは?「道具」ではなく「実行者」になるAIの全貌
記事を読む
参考文献
中小企業庁「中小企業白書 2024年版」— 中小企業のマーケティング実態
Byron Sharp『How Brands Grow』(2010年, Oxford University Press) — マーケティングの選択と集中
著者について

山本至人
200社以上の中小企業マーケティングを支援。WHO-WHAT-HOWフレームワークをAIに組み込んだMyMarketerの開発者。株式会社WHAT代表取締役。東京大学松尾研AI経営修了。法政大学法学部卒業。映像制作事業やDtoCアパレルブランドなど複数の新規事業立ち上げにCMOとして携わる。2023年株式会社WHAT設立。外部CMOサービスにて多くの企業のマーケティング支援を実施。東京大学松尾研AI経営修了。
- 株式会社WHAT 代表取締役
- 東京大学松尾研 AI経営寄付講座 修了
- 複数企業の外部CMOとしてマーケティング支援を実施









