マーケティングの外注、何から頼むべき?|費用相場と「成果が出る頼み方」
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マーケティングの外注、何から頼むべき?|費用相場と「成果が出る頼み方」

山本至人
17分で読めます

「マーケティングを外注したいけど、何をどこまで頼めばいいのか分からない」——そんな相談を受けることが増えました。

この記事でわかること

  • マーケティング外注の「戦略」と「実行」の違い
  • 施策別の費用相場テーブル(SNS・広告・SEO・コンサル・CMO代行)
  • 外注で成果が出ない会社に共通する3つのパターン
  • 外注の効果を2〜3倍にする「戦略を持った頼み方」
  • 戦略を自分で作る3つの方法(コンサル・独学・AIツール)

私は元CMOとして、数十社の中小企業のマーケティングを月30万円で請け負ってきました。戦略作成から施策の実行支援まで、社員のように入り込むスタイルです。

その中で気づいたことがあります。外注で成果が出ない会社には、共通のパターンがあるということ。「戦略」と「実行」を分けずに丸ごと外注しているのです。

この記事では、マーケティング外注の費用相場と「成果が出る頼み方」を、外注を受けていた側の本音からお伝えします。


マーケティングの「何を」外注するのか? — 戦略と実行を分けて考える

戦略ファーストの外注3ステップを示すフロー図 マーケティング外注の戦略と実行の2層構造を示す図解

マーケティング外注とは、自社のマーケティング業務の一部または全部を外部の専門家に委託すること。ただし「戦略(誰に・何を伝えるか)」と「実行(どう届けるか)」では、外注の意味がまったく違ってきます

マーケティングの業務は2つに分かれます。

戦略 = 「誰に・何を伝えるか」を決めること

  • WHO: ターゲットは誰か。年齢や性別ではなく、「どんな悩みを抱えた、どんな状況の人か」
  • WHAT: その人に何を伝えるか。自社の価値提案

実行 = 「どう届けるか」を回すこと

  • SNS運用、広告配信、SEO記事制作、LP制作、メール配信など
  • いわゆる「チャネル」の運用業務

多くの企業が外注しているのは、この「実行」のほうです。SNS投稿の代行、広告の運用代行、記事の外注。それ自体は問題ありません。

では何が問題か。戦略が決まっていない状態で実行だけ外注すると、成果は出にくい。外注先も「誰に向けて、何を伝えればいいか」が分からないまま作業することになるからです。

WHO-WHAT-HOWのフレームワークについて詳しくはマーケティング戦略の作り方ガイドで解説しています。

ポイント

外注する前に、まず「誰に・何を伝えたいか」が自社で言語化されているかを確認してください。ここが空白のまま実行を外注しても、お金と時間が消えていきます。


施策別の外注費用相場は? — SNS・広告・SEO・コンサル

マーケティング外注・採用・AIツールの費用比較表

マーケティング外注の費用は、SNS運用が月10〜30万円、広告運用が月10〜50万円(+広告費)、SEO対策が月10〜50万円、マーケティングコンサルが月15〜50万円が相場です。施策ごとに「何にお金を払っているのか」が違うので、比較する前にまず分解して理解する必要があります

施策月額費用含まれる業務
SNS運用10〜30万円投稿制作・分析・コメント対応
広告運用10〜50万円+広告費入稿・運用最適化・レポート
SEO10〜50万円記事制作・内部対策・分析
LP制作30〜100万円(単発)デザイン・コーディング
メールマーケティング5〜20万円配信設計・制作・分析
マーケティングコンサル15〜50万円戦略立案・施策助言
CMO代行30〜100万円戦略+実行統括

「安い=悪い」ではありません。大事なのは、「何を頼んで、何を自社でやるか」の切り分けができているかどうかです。

たとえばSNS運用を月15万円で外注するとしましょう。投稿の制作や分析はやってくれます。ただし「投稿で誰に何を伝えるか」の方向性は、自社で決めなければなりません。それが決まっていれば月15万円は妥当な投資。決まっていなければ? 毎月15万円が「なんとなくの投稿」に消えていきます。

費用相場の詳細はマーケティングコンサルの費用相場で解説しています。

注意: 月5万円以下の「丸ごとおまかせ」プランは要注意です。戦略設計が含まれていない場合が多いです。契約前に「戦略を作ってくれるのか、作業を代行するだけなのか」を必ず確認してください。


外注で成果が出ない会社に共通する3つのパターンとは?

外注で成果が出ない最大の原因は、業者の実力ではなく発注側の"戦略の不在"にあります。これは私がCMOとして数十社を支援する中で、繰り返し見てきた事実です。以下の3パターン、どれか一つでも心当たりはないでしょうか。

パターン1: 戦略なき外注

「とりあえずSNS運用をお願いします」。ターゲットも訴求も決まっていないまま、実行だけを回す。

ある美容サロンの話だ。Instagram運用を月15万円で外注していた。180万円。12ヶ月かけて消えた金額がこれだった。フォロワーは3,000人増えた。ただ、問い合わせは月1件しか増えていない。

原因はシンプル。「誰に向けて発信しているのか」が不明確だった。投稿は綺麗だったが、20代向けなのか40代向けなのか、カットの技術を訴求したいのかリラックス空間を訴求したいのか——軸がなかったのです。

パターン2: KPIを業者任せにする

「いい感じにやってください」。これを言われた業者はどうするか。困るのです。

結果、業者が出しやすい数字——インプレッション、フォロワー数、PV——がKPIになります。これらは「見栄えのいい数字」であって、売上に直結する指標ではありません

ある会社では、月次レポートのPVが3万→5万に増えていました。業者から「PVが順調に伸びています」と報告を受けるたびに安心していたが、問い合わせはゼロのまま。半年後にようやく「PVと売上は別の話だった」と気づいたのです。

「レポートはもらっているが、何がうまくいっているのか自分で判断できない」——この状態は黄信号。判断できないのは、そもそも何を目指しているのか(=戦略)が自社にないからです。

パターン3: 業者を変えれば解決すると思っている

「前の業者が悪かった」。そう言って業者を変える会社は多いです。3社目、4社目と変えても、同じ結果になる。なぜでしょうか。

私がCMOとして最も多く受けた相談が「前の業者の成果が出なかった」というものでした。話を聞くと、戦略書が存在しないケースが8割以上。業者に渡されていたのは「うちの商品はこれです。よろしくお願いします」だけ。

ある会社は3社目の外注先に切り替えた後も、やはり結果が出ませんでした。ヒアリングすると、どの業者にも同じように「いい感じにお願いします」と伝えていたといいます。業者のスキルの問題ではありません。発注側に「誰に・何を」の指針がなかったのです。同じ指示を別の業者に出しても、結果が変わるはずがありません。

「成果が出ない外注」の原因は、業者ではなく発注側の"戦略の不在"にある

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外注の効果を最大化するには? — 「戦略だけは自分で持つ」

外注で成果を出している会社には、共通点があります。「誰に・何を」は自社で決め、「どう届けるか」だけを外注していること。戦略の内製化と実行の外注——この切り分けにすぎません。

具体例を一つ紹介しましょう。

ある工務店(従業員15名)がSNS運用を月15万円で外注していました。最初は前述のパターン1と同じく、方向性が定まらず成果が出なかった。

そこで戦略を整理し直しました。決めたのはたった一つの軸。「30代共働き夫婦に、"時短設計"を訴求する」。ターゲットは「家事と育児で時間がない共働き世帯」、伝えるメッセージは「家事動線を30%短縮する間取り設計」。

この戦略を持った上で、同じ外注先に指示を出し直しただけです。投稿の方向性がブレなくなり、3ヶ月後に問い合わせが月3件から月12件に増えました。外注先も業務も費用も変えていません。変わったのは「発注側が戦略を持ったこと」だけでした。

戦略を持つと何が変わるのか。3つあります。

  1. 外注先への指示が具体的になる。「いい感じに」ではなく「30代共働き夫婦に、時短設計の魅力を伝える投稿を作ってください」と言えるようになります
  2. 成果の良し悪しを自分で判断できる。KPIが「共働き世帯からの問い合わせ数」と明確になるからです
  3. 「この施策は要らない」と言えるようになる。不要な提案を断れる=無駄な支出が減っていきます

自分でマーケティング施策を考える方法は自分でやるマーケティングの始め方でも解説しています。

ポイント

外注を否定しているのではありません。「戦略を持った上で外注する」と、同じ予算でも成果が2〜3倍変わります。先の工務店は費用を1円も増やさず、問い合わせが4倍になりました。

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戦略を自分で作る3つの方法は? — コンサル・独学・AIツール

戦略を自社で持つ方法は3つあります。費用・時間・精度がそれぞれ違うので、自社の状況に合わせて選んでください。

方法費用所要時間戦略の質向いている会社
マーケティングコンサル月15〜50万円1〜3ヶ月高い(人による)予算に余裕がある会社
独学(書籍・セミナー)ほぼ無料3〜6ヶ月バラつきが大きい時間がある経営者
AIマーケティングツール月3〜5万円30分〜数時間中〜高(フレームワーク依存)予算も時間も限られる中小企業

コンサルが最適な場面

月商1,000万円を超えて複数チャネルを展開する段階や、新規事業の立ち上げ。こうした場面では、経験豊富なコンサルの知見が大きな差を生みます。月30万円の投資を回収できるだけの売上規模がある会社なら、コンサルは最良の選択肢でしょう。

独学が合う場面

時間はあるが予算がない。この場合は書籍やオンライン講座で学ぶのが現実的です。ただし、学んだ知識を自社に当てはめて「使える戦略」にするまでに3〜6ヶ月はかかります。途中で挫折するケースも少なくありません。

AIツールという選択肢

たとえばMyMarketerでは、業種と目標をヒアリング形式で入力するだけで、WHO(誰に)→ WHAT(何を)→ HOW(どう届けるか)の戦略書が30分で完成します。月額5万円。コンサルの1/6〜1/10のコストです。

私がCMOとして月30万円でやっていた仕事——ターゲットの特定、競合分析、訴求の設計、チャネル選定——をAIで再現したツールになります。ChatGPTとの違いは「マーケティング専用のフレームワーク(型)」があること。型に沿って質問に答えていくだけで、汎用的な一般論ではなく、自社の業種・規模・強みに合った戦略が出てきます。70点の叩き台をAIが出し、経営者の判断で100点に仕上げる——そういう使い方です。

戦略を持った上で、実行部分だけ外注する。これが最もコスト効率が高いモデルだと、数十社の支援経験から確信しています。

費用シミュレーションで比較するとわかりやすいです。

  • パターンA: AI戦略(月5万)+ SNS外注(月15万)= 月20万円
  • パターンB: コンサル(月30万)+ SNS外注(月15万)= 月45万円以上

パターンAはパターンBの半額以下。しかも戦略が自社に残ります。コンサルとの契約が終わっても方向性がブレません。

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Tip: まずAIで戦略の叩き台を作り、納得いかなければコンサルに相談する——という段階的な使い方もあります。最初から月30万のコンサルに賭けるのはリスクが高いです。

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よくある質問

Q1: マーケティングの外注費用の相場はいくらですか?

施策によって大きく異なります。SNS運用が月10〜30万円、広告運用が月10〜50万円(+広告費)、SEO対策が月10〜50万円、マーケティングコンサルが月15〜50万円、CMO代行が月30〜100万円が相場です。「何を頼むか」で費用レンジがまったく変わるため、まず自社に必要な施策を特定するのが先

Q2: マーケティングを外注するメリット・デメリットは?

メリット: 専門知識をすぐに活用できる。社内リソースを本業に集中できる。人を雇うより柔軟にスケールできる。

デメリット: 自社にノウハウが蓄積されにくい。戦略なしに外注すると成果が出にくい。業者の質にバラつきがある。

デメリットの大半は「戦略を自社で持つ」ことで解消できます。判断軸を持った上で外注すれば、ノウハウも自社に残りますし、業者の良し悪しも判断できるようになります。

Q3: 外注と内製化、どちらがいいですか?

「どちらか」ではなく「何を内製化し、何を外注するか」で考えてみてください。おすすめは、戦略(誰に・何を)は内製化し、実行(どう届けるか)は外注する組み合わせ。戦略まで外注すると費用が月30万円以上かかり、依存度も高くなります。

Q4: マーケティング外注で失敗しないためのポイントは?

3点あります。(1) 外注する前に戦略を言語化する。(2) KPIを自分で設定し、業者に共有する。(3) レポートを「読めるようになる」こと。この3つができていれば、業者選びで大失敗することはまずないでしょう。

Q5: AIツールでマーケティング戦略は本当に作れますか?

作れます。ただし、AIの出力は「叩き台」と捉えてください。マーケティング専用のフレームワークを搭載したツールなら、業種・目標に合った戦略書が30分で完成します。その叩き台をベースに「これは自社に合っているか」を自分で判断し、修正を加えていく。AIが100点の戦略を出すのではありません。70点の叩き台を出して、あなたが自社の文脈で100点に仕上げる——その使い方が正解です。


戦略を持てば、外注は武器になる

「何を頼めばいいか分からない」。その原因は、戦略がないこと。

戦略——「誰に・何を伝えるか」——が決まっていれば、外注先への指示も、成果の判断も、すべてクリアになります。逆に、戦略がないまま外注しても、業者を何社変えても同じ結果が繰り返されるだけです。

手順はシンプル。

  1. まず「誰に・何を伝えるか」を言語化する
  2. その上で「どう届けるか」の実行部分だけを外注する
  3. 成果をKPIで確認し、自分で良し悪しを判断する

戦略の言語化は、コンサルに頼んでもいいし、独学でもいい。時間も予算も限られているなら、AIツールで叩き台を作るのが最も早い方法でしょう。

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著者について

山本至人

山本至人

200社以上の中小企業マーケティングを支援。WHO-WHAT-HOWフレームワークをAIに組み込んだMyMarketerの開発者。株式会社WHAT代表取締役。東京大学松尾研AI経営修了。

法政大学法学部卒業。映像制作事業やDtoCアパレルブランドなど複数の新規事業立ち上げにCMOとして携わる。2023年株式会社WHAT設立。外部CMOサービスにて多くの企業のマーケティング支援を実施。東京大学松尾研AI経営修了。

  • 株式会社WHAT 代表取締役
  • 東京大学松尾研 AI経営寄付講座 修了
  • 複数企業の外部CMOとしてマーケティング支援を実施
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