WHO-WHAT-HOWフレームワークとは?マーケティング戦略の「型」を手に入れる方法
マーケティング

WHO-WHAT-HOWフレームワークとは?マーケティング戦略の「型」を手に入れる方法

山本 至人
28分で読めます

「マーケティング戦略を立てろと言われたけど、何から手をつければいいかわからない」――そんな方にこそ知ってほしいのが、WHO-WHAT-HOWフレームワークです。戦略を「型」に落とし込むことで、誰でも再現可能な戦略設計ができるようになります。

この記事でわかること

  • WHO-WHAT-HOWフレームワークの全体像と「戦略の型」が必要な理由
  • WHO(ターゲット)を属性ではなく心理・行動で設計する方法
  • WHAT(提供価値)を4つの階層で言語化する手順
  • 業種別の記入例3パターンとよくある失敗の回避策

この記事は、WHO・WHAT・HOWをワークシートに書き出すための入門です。候補を比較して資源配分まで決めたい場合は、WHO WHAT HOW戦略の完全ガイドの施策選定も参照してください。

なぜマーケティングに「戦略の型」が必要なのか

「型」がなければ、施策はバラバラになり、予算と時間だけが消える。

WHO-WHAT-HOWフレームワークは「誰に・何を・どう届けるか」を順番に設計する思考の型です。この型があることで、施策の優先順位が決まり、限られたリソースを最も成果が出る場所に集中できます。型を持たないまま施策を始めると、メッセージが散漫になり、成果が出ない悪循環に陥ります。

多くの中小企業が陥るパターンがあります。

「とりあえずSNSを始めよう」「広告を出してみよう」「ホームページをリニューアルしよう」

これらはすべて「HOW(どうやるか)」の話です。しかし「誰に」「何を」が決まっていない状態で「どうやるか」を考えても、お金と時間が消えていくだけです。

たとえば、ターゲットを決めずにInstagramを運用するとどうなるか。20代女性向けの投稿をしたかと思えば、次は50代経営者に刺さりそうな投稿をする。結果、誰にも刺さらないアカウントの完成です。

森岡毅氏は著書『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』の中で、マーケティング戦略を「目的→目標→戦略→戦術」の順で考えるべきだと述べています。WHO-WHAT-HOWは、この「戦略」の部分を構造化するフレームワークです。

WHO(誰に売るのか)→ WHAT(何を届けるのか)→ HOW(どうやって届けるのか)

この順番で考えることで、限られた予算と人員を「最も効果が出るところ」に集中できます。

⚠️ 最も多いつまずきは「HOW(どうやるか)」から始めてしまうこと。SNSや広告などの手段から入ると、WHO・WHATが定まらないまま施策だけが増え、成果につながりません。必ずWHO→WHAT→HOWの順番を守りましょう。


WHOの決め方は?ターゲットを「属性」ではなく「心理と行動」で設計する方法

WHOは「30代男性」のような属性ではなく、悩み・行動・想起場面の3層で設計する。

WHO-WHAT-HOWフレームワークのWHOは、ST(戦略ターゲット)・CT(コアターゲット)・CEP(カテゴリーエントリーポイント)の3層構造で定義します。属性だけでなく心理状態や行動パターンまで掘り下げることで、メッセージの精度が上がり、限られた予算でもターゲットに届く戦略が組めます。

ここで「30代・男性・会社員」のような属性だけで止まってしまう企業が多いのですが、これだけでは不十分です。同じ30代男性でも、仕事に不安を感じている人と、キャリアに自信を持っている人では、響くメッセージがまるで違います。

WHOの3層構造

効果的なターゲット設計には、3つの層で考える方法があります。

第1層:ST(Strategic Target / 戦略ターゲット)

最も広い括りのターゲット層です。年齢、地域、職業、年収帯などのデモグラフィック(人口統計)で大まかに定義します。

例:「従業員10〜50名の中小企業で、マーケティング担当者がいない企業の経営者」

第2層:CT(Core Target / コアターゲット)

マーケティング予算を集中投下する最も重要な層です。ここでは心理と行動で定義します。

  • どんな悩みを持っているか(ペインポイント)

  • どんな状態になりたいか(ゴール)

  • 普段どうやって情報を集めているか(行動パターン)

  • 購買を決める時の障壁は何か(意思決定プロセス)

例:「集客に課題を感じているが、何から始めていいか分からず、コンサルに月30万円を払う予算もない。Googleで『中小企業 マーケティング 何から』と検索するような経営者」

第3層:CEP(Category Entry Points / カテゴリーエントリーポイント)

これはマーケティング学者バイロン・シャープが『How Brands Grow』で体系化した概念で、顧客があなたのカテゴリーを「思い出す瞬間」のことです。

シャープの研究によれば、ブランドの成長はメンタルアベイラビリティ(想起されやすさ)に大きく左右されます。どれだけ優れた商品でも、必要な瞬間に思い出してもらえなければ選ばれません。

たとえば「マーケティング支援ツール」というカテゴリーなら:

  • 競合に負けた理由が分からない時

  • 新規事業を始めようとしている時

  • 年度の予算策定をしている時

  • 広告を出したのに成果が出なかった時

  • 採用したマーケターが辞めた時

CEPの候補を顧客の話や購入記録から洗い出し、どの場面で自社が候補になるかを確かめます。数を埋めるより、顧客にとっての重要性と実際の購買との関係を確認します。

実践のコツ: 既存顧客に「どんな時にうちのサービスを思い出しますか?」と聞いてみてください。自分たちが想定していないCEPが見つかることがよくあります。

WHOを具体化したら、想定した場面が実際の相談や購入記録にもあるかを確かめます。広告のCPAを見る場合は、同じ期間の広告費を、定義をそろえた獲得件数で割ります。予約と購入を混ぜず、訴求以外に配信条件や予算が変わっていないかも確認して、WHOの見直しと結果の関係を判断します。

WHO設計ワークシート

以下のテンプレートを使えば、WHOの3層を整理できます。

層

項目

記入欄

記入例

ST

デモグラフィック

__________

従業員10〜50名の中小企業経営者

ST

地域・業種

__________

全国・BtoB製造業

CT

悩み(ペインポイント)

__________

集客の打ち手が分からない

CT

理想の状態(ゴール)

__________

自社で戦略を立てて施策を回せる状態

CT

情報収集の行動

__________

Google検索・YouTube・書籍

CT

購買の障壁

__________

月30万円以上のコンサル費は出せない

CEP

想起場面①

__________

競合に案件を取られた時

CEP

想起場面②

__________

新規事業の計画書を書く時

CEP

想起場面③

__________

広告費をかけたのに反応がない時

CEP

想起場面④

__________

マーケ担当者が退職した時

記入例は仮説です。顧客の発言や購入記録と照合し、確認できた場面と未確認の場面を分けてください。

WHO設計の最重要ポイント

WHOは「属性」ではなく「心理と行動」で定義する。ST→CT→CEPの3層で設計し、CEPは顧客が購入を考える場面として整理し、実際の行動と照合する。

ターゲットの具体的な人物像を作り込む方法についてはペルソナ設定のやり方テンプレート付きガイドで詳しく解説しています。

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WHATとは何を伝えるべき?価値を「4つの階層」で言語化する方法

WHATは「機能の説明」ではなく、顧客が感じる心理的な価値を4階層で定義するもの。

WHO-WHAT-HOWフレームワークのWHATは、CV(コアバリュー)・KB(キーベネフィット)・SB(サポーティングベネフィット)・RTB(信じる理由)の4階層で構成されます。機能スペックではなく「顧客の人生がどう変わるか」を言語化することで、競合と差別化された価値訴求が可能になります。

ここでやりがちな失敗は、「便利な機能」や「他社にない特徴」を並べてしまうことです。しかしWHATで定義すべきは、顧客が感じる価値そのものです。

WHATの4階層構造

CV(Core Value / コアバリュー)— 30字以内

ブランドを選ぶ最も本質的な理由。1つに絞ります。

例:「マーケティングの迷いからの解放」

CVは機能の説明ではなく、顧客の心理的な変化を表現します。「戦略が自動で作れます」ではなく、「何をすべきか迷わなくなる」という体験の言語化です。

経営学者セオドア・レビットは「顧客はドリルが欲しいのではなく、穴が欲しいのだ」と述べました(『マーケティング発想法』)。CVはまさに「穴」にあたる部分です。

KB(Key Benefit / キーベネフィット)— 60字以内

CVを具体的な行動レベルに翻訳したもの。「どうやって?」に答えます。

例:「質問に答えるだけで市場分析・競合調査・ターゲット設定が整理され、次にやるべきことが明確になる」

SB(Supporting Benefit / サポーティングベネフィット)— 各40字以内 × 3〜5個

CVとは別の角度から、ターゲットが長期的に得られる価値を定義します。

ここで重要なのは、SBはCVの言い換えではなく、独立した価値軸であることです。

例:

  • 「チーム全体でマーケティングの共通言語ができる」

  • 「外部コンサルに依存しない社内の判断力が育つ」

  • 「施策のPDCAが回せるようになり、改善速度が上がる」

RTB(Reason To Believe / 信じる理由)

上記の価値を裏付ける具体的な事実や数字です。

RTBには、その価値を裏付ける確認可能な材料を添えます。成果数値を使う場合は、指標の定義、値、対象期間、対象数、集計元をそろえ、何を測った結果なのかが分かるようにします。数字の項目をいくつか書くだけで、主張が裏付けられるわけではありません。成果の記録がない場合も、提供範囲が分かる仕様書や、作成手順と内容を確認できる成果物の見本で、説明できる部分を具体的に示せます。ただし、見本は顧客の成果実績とは区別してください。

WHAT設計ワークシート

階層

文字数目安

記入欄

記入例

CV(コアバリュー)

30字以内

__________

マーケティングの迷いからの解放

KB(キーベネフィット)

60字以内

__________

質問に答えるだけで戦略が整理され、次にやるべきことが明確になる

SB①(サポーティング)

40字以内

__________

チーム全体で共通言語ができる

SB②(サポーティング)

40字以内

__________

外部コンサルに依存しない判断力が育つ

SB③(サポーティング)

40字以内

__________

施策のPDCAサイクルが回り始める

RTB(信じる理由)

—

__________

確認できる成果物の見本・提供範囲・根拠資料の参照先を記入。見本と顧客の成果実績は分ける

CVを書いたら必ず「競合の名前に差し替えても成立するか」を確認してください。成立するなら、まだ具体性が足りません。

WHAT設計の検証方法

自社のCVやKBを書いたら、会社名を競合に差し替えて読んでみる。それでも通じるなら具体性が不足している証拠。「うちにしか言えない」レベルまで絞り込もう。

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HOWの設計手順は?チャネル選定を「WHO × WHAT」から逆算する方法

HOWは最後に決める。WHOの行動パターンとWHATの価値から、チャネルを逆算して選ぶ。

WHO-WHAT-HOWフレームワークのHOWは、マーケティングミックス(4P)に対応します。WHOがどこにいるか、WHATのどの価値をどんな形で届けるかを基準にチャネルを絞り込むことで、施策の精度と費用対効果が大幅に高まります。

💡 実務Tips

HOWを考える前に「CTがどこで情報収集しているか」を3つ以上書き出そう。BtoB経営者ならGoogle検索・LinkedIn・メルマガ、D2C消費者ならInstagram・YouTube・口コミサイトなど。この行動パターンがチャネル選定の出発点になる。

HOWはいわゆるマーケティングミックス(4P)に対応します。

4P

WHO-WHAT-HOWでの位置づけ

Product(製品)

WHATで定義した価値を実現する商品設計

Price(価格)

WHOの予算感と、WHATの価値に見合った価格設定

Place(流通)

WHOの行動パターンに合った販売チャネル

Promotion(販促)

WHOのCEPに合わせたメッセージングとメディア選定

ここで多くの企業が見落とすのが、チャネルの選定基準です。

「Instagramが流行っているから」「競合がYouTubeをやっているから」ではなく、自社のWHOがどこにいるかで決めるべきです。

候補チャネルは、対象顧客の情報収集や購入の記録から選びます。経営者なら特定のSNS、個人事業主なら動画と決めつけず、到達できる人数・相談までの流れ・続けられる制作量を比較します。

チャネルを3〜4つに絞り、それぞれに対して「WHATのどの要素を、どんなフォーマットで伝えるか」を設計していきます。AIを活用したチャネル設計に興味がある方は「AIマーケターとは?機能・メリット・活用法をCMO視点で解説」も参考になります。


WHOを具体化して、自社の戦略を書いてみる

業種別WHO-WHAT-HOWの記入例3パターン

業種が違っても、WHO-WHAT-HOWの「型」は同じ。違うのは中身だけ。

WHO-WHAT-HOWフレームワークはSaaS・EC・地域サービスなど業種を問わず適用できます。以下は説明用に作った架空の商品・サービスの記入例で、実在企業の成果事例ではありません。同じ型を使いながらWHO・WHAT・HOWの中身がどう変わるかを示します。自社の業種に近い例を参考に、ワークシートへの記入を進めてください。

記入例①:SaaS企業(プロジェクト管理ツール)

要素

内容

WHO(ST)

従業員20〜100名のIT企業。プロジェクト管理が属人化

WHO(CT)

タスクの抜け漏れに悩む開発マネージャー。Slackとスプレッドシートで限界を感じている

WHO(CEP)

納期遅延が発生した時 / メンバーが増えて情報共有が破綻した時

WHAT(CV)

チーム全員の仕事が一目で見える安心感

WHAT(KB)

タスク・期限・進捗を1画面で管理でき、抜け漏れを確認しやすくなる

HOW

Google検索広告(「プロジェクト管理 ツール 比較」)+ IT系メディアへの寄稿 + 無料トライアル14日間

記入例②:EC / D2Cブランド(敏感肌向けスキンケア)

要素

内容

WHO(ST)

25〜40代女性。敏感肌で市販品が合わない経験あり

WHO(CT)

成分表示を必ず確認する。口コミサイトとInstagramで情報収集。「また肌が荒れるかも」という不安が購買障壁

WHO(CEP)

季節の変わり目に肌が荒れた時 / 新しい化粧品でかぶれた時

WHAT(CV)

「今日も肌の調子がいい」と思える毎日

WHAT(KB)

全成分と使い方、使用を中止する目安を確認してから選べる

HOW

Instagram(成分解説リール)+ 皮膚科医コラム記事(SEO)+ 初回50%OFFトライアルセット

記入例③:地域密着型サービス業(整骨院)

要素

内容

WHO(ST)

半径3km圏内の30〜50代。デスクワーク中心の会社員

WHO(CT)

慢性的な腰痛や肩こりに悩むが、整骨院は「どこも同じ」と思っている。Googleマップの口コミで選ぶ

WHO(CEP)

ぎっくり腰になった時 / 在宅勤務で肩こりが悪化した時

WHAT(CV)

痛みを気にせず仕事に集中できる体

WHAT(KB)

初回に相談内容と対応範囲を確認し、施術方針と費用の説明を受けてから判断できる

HOW

Googleビジネスプロフィール最適化 + 口コミ促進プログラム + 地域名×症状のSEO記事

3つの記入例に共通するのは、WHOの悩みからWHATの価値が導かれ、WHATの届け方としてHOWが決まるという一貫した流れです。

業種が変わっても「型」は同じ。変わるのは中身だけ。この再現性こそがWHO-WHAT-HOWフレームワークの最大の強みだ。

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WHO-WHAT-HOWでよくある失敗は?3つのパターンと対策

最も多い失敗は「HOWから始めること」。ターゲット不在の施策は必ず空振りする。

WHO-WHAT-HOWフレームワークの失敗は、3つのパターンに集約されます。WHOを決めずにHOWから始める、WHATが汎用的すぎて競合と区別がつかない、WHO・WHAT・HOWの整合性が取れていない。いずれも「型の順番を守らなかった」ことが原因です。

失敗①:WHOを決めずにHOWから始める

「とりあえずSNSで発信しよう」が典型例です。ターゲットが曖昧なまま発信すると、メッセージが散漫になり、誰にも刺さらないコンテンツが量産されます。

対策: HOWを考える前に、最低限「CTの悩み」と「CVの1文」を言語化する。

失敗②:WHATが汎用的すぎる

「お客様の課題を解決します」「ビジネスの成長をサポートします」

こうした表現は、会社名を競合他社に差し替えても成立してしまいます。これは戦略ではなく「願望」です。

対策: 自社のWHATを書いたら、競合の名前に入れ替えてみる。それでも通じてしまうなら、もっと具体的に絞り込む必要がある。

失敗③:WHO・WHAT・HOWがバラバラ

WHOで「中小企業の経営者」を設定しているのに、WHATで「エンタープライズ向けの高度な分析機能」を訴求し、HOWで「TikTokで発信」する。各要素が整合していないと、いくら個別のクオリティが高くても成果は出ません。

対策: 3つを並べた時に、ストーリーとして自然に繋がるかを確認する。

整合性チェックの簡単テスト

WHO・WHAT・HOWを1文でつなげてみよう。「[WHO]が抱える[悩み]を、[WHAT]という価値で、[HOW]を通じて届ける」——この文が自然に読めれば、3要素の整合性が取れている。

森岡毅氏のフレームワークが実際のビジネスでどう使われているかは「森岡毅氏のマーケティング戦略を分析 — ジャングリア沖縄の事例」で詳しく解説しています。

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WHO-WHAT-HOWを実務で使うには?「知っている」から「使える」に変える方法

フレームワークは「知る」だけでは意味がない。実務で使うには、手を動かして型を埋める作業が必要。

WHO-WHAT-HOWを実務で使うには、顧客・競合・自社の材料をそろえ、方針を選んで施策へ渡します。AIは既存資料の整理や案の作成に使えますが、顧客調査や内容確認まで一律に30分で終わるとはいえません。準備・照合・修正を含めた時間を記録してください。

冒頭のデザイナーの方と話していて私(山本)が感じたのは、マーケティング戦略の「型」さえあれば、専門家でなくても戦略を語れるようになるということです。

WHO-WHAT-HOWフレームワークの良さは、誰でも同じ思考プロセスをたどれる「型」になっていること。ただし現実には、3C分析を行い、ターゲットを3層で設計し、CEPを洗い出し、WHATを4階層で言語化する作業は、慣れていないと数週間から数ヶ月かかります。

なお、一人でフレームワークを埋めるのが難しい場合は、AIが対話形式で設計を支援するツールもあります。たとえばMyMarketerでは、質問に答えていくだけで市場分析・競合調査・ターゲット設定・価値提案の設計までを一貫して整理できます。

自社で使うなら、まず「誰に届けるか」を具体化するところから始めましょう。次の記事では、顧客像を整理する手順と確認するポイントを紹介しています。

自社の戦略に当てはめるなら、ペルソナ設定を、記入例で進めるもご覧ください。買う場面や迷う理由を整理して、WHOを具体化できます。


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よくある質問(FAQ)

Q. WHO-WHAT-HOWフレームワークとSTP分析の違いは?

STP分析は、Segmentation(市場細分化)→ Targeting(標的市場の選定)→ Positioning(差別化の方向性)の3ステップで市場における自社の立ち位置を決める分析手法です。

一方、WHO-WHAT-HOWフレームワークは、STPで決めた方向性を「誰に(WHO)・何を(WHAT)・どうやって(HOW)」の実行可能な戦略に落とし込むためのものです。

つまり、STPが「どこで戦うか」を決める地図だとすれば、WHO-WHAT-HOWは「どう戦うか」を設計するルート設計図。両者は対立するものではなく、STP → WHO-WHAT-HOWの順で使うと効果的です。

Q. 小さな企業(1-10人規模)でもWHO-WHAT-HOWを使える?

むしろ小規模企業ほど有効です。大企業は予算で幅広い層にリーチできますが、小さな企業にその余裕はありません。

リソースが限られるからこそ、「誰に集中するか」の意思決定が成果を左右します。WHOを1つに絞り、そのWHOに最も響くWHATを定義し、WHOがいる場所にだけHOWを展開する。この集中が、少人数・少予算で成果を出す鍵です。

Q. WHO-WHAT-HOWの設計にどのくらい時間がかかる?

必要な時間は、既存資料の量、追加調査、関係者の確認によって変わります。新しい顧客調査と、資料を渡したAIの下書き作成を同じ工程として比べず、完成条件をそろえて見積もります。

自社の戦略に当てはめるなら、自社が選ばれる市場を見つけるもご覧ください。顧客・強み・競合から、WHATの候補を考えます。

Q. すでに施策を運用中。WHO-WHAT-HOWに合わせ直す必要がある?

すべてを止めてやり直す必要はありません。まずはWHO・WHAT・HOWを言語化し、現行施策との整合性をチェックする「棚卸し」から始めてください。

整合している施策はそのまま継続。ズレている施策は優先度を下げるか、メッセージを調整する。この「段階的な軌道修正」が現実的なアプローチです。一度に全部変えようとすると現場が混乱します。

Q. WHOが複数ある場合はどうする?

WHO-WHAT-HOWのセットを複数作ること自体は問題ありません。ただし、必ず優先順位をつけてください。

最も売上インパクトが大きいWHOを1つ選び、そのWHO-WHAT-HOWで成果が出るまで集中する。成果が確認できたら、次のWHOに展開する。この順番を守ることが重要です。同時に3つ以上のWHO-WHAT-HOWセットを走らせると、リソースが分散してどれも中途半端な結果に終わります。


まとめ

WHO-WHAT-HOWフレームワークは、マーケティング戦略の「型」です。

  • WHO: ターゲットを属性だけでなく、心理・行動・想起場面(CEP)で設計する

  • WHAT: 顧客が感じる価値を、CV→KB→SB→RTBの4階層で具体的に言語化する

  • HOW: WHO × WHATが決まった後に、最適なチャネルと施策を設計する

「全員に全部を売ろうとしない」。これがWHO-WHAT-HOWフレームワークの出発点であり、限られたリソースで成果を出すための戦略的選択です。

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CEPの参照:Ehrenberg-Bass Instituteの説明(2026年10月7日確認)。購入を考える場面の把握と優先付けを参照しています。この記事のST・CTと組み合わせた整理は編集上の方法であり、3層が必須の標準手順という意味ではありません。

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著者について

山本 至人

山本 至人

MyMarketer代表

法政大学法学部卒業。映像制作事業やDtoCアパレルブランドなど複数の新規事業立ち上げにCMOとして携わる。2023年株式会社WHAT設立。外部CMOサービスにて多くの企業のマーケティング支援を実施。東京大学松尾研AI経営修了。

  • 株式会社WHAT 代表取締役
  • 東京大学松尾研 AI経営寄付講座 修了
  • 複数企業の外部CMOとしてマーケティング支援を実施

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