ひとりマーケターは何からやるべき?仕事の優先順位とAI・外注への任せ方
マーケティングAI

ひとりマーケターは何からやるべき?仕事の優先順位とAI・外注への任せ方

山本至人
10分で読めます

記事も書く。広告も見る。営業資料も頼まれる。社内でマーケティングを一人で担当していると、目の前の依頼を終えるだけで一週間が過ぎてしまいます。

最初に整理したいのは、今の売上目標に対して「どこが詰まっているか」と「誰がどこまで担当するか」です。同じひとりマーケターでも、問い合わせが足りない会社と、問い合わせ後に商談へ進まない会社では、先にやる仕事が変わります。

この記事では、社内のマーケティング担当者が、今週取り組む仕事と任せる仕事を決められるよう、記入例を交えて整理します。

最初に、上司・営業と成果の定義をそろえる

「集客を増やしてほしい」だけでは、広告、記事、SNSのどれを進めるか決められません。売りたい商品、増やしたい顧客、その人に起こしてほしい行動まで確認します。

一人で戦略を完成させてから相談する必要はありません。分かっていることと未確認のことを分けた一枚を持って、上司や営業とすり合わせます。

確認すること記入例:法人向けの業務支援サービスの場合
今期増やしたい成果新規顧客との商談。問い合わせ件数だけでは評価しない
どんな顧客か業務が属人化し、引き継ぎに困っている会社の責任者
顧客が相談するきっかけ担当者の異動、業務量の増加、既存の仕組みの見直し
今ある材料サービスページ、過去の提案書、商談記録、公開できる事例
まだ分からないこと問い合わせが商談にならない理由。営業に確認する
決める人担当者が案を作り、目標と予算は上司、商談条件は営業と合意

これは架空の記入例です。自社の資料で埋まらない欄は、AIに推測で埋めさせず、確認先を書きます。

「誰に・何を・どう届けるか」を整理する方法は、WHO・WHAT・HOWの解説も参考になります。

優先順位は、受注までのどこが詰まっているかで決める

新しい施策の名前から選ぶと、できることが際限なく増えます。まずは現在の接点から受注までを並べ、どの段階に改善余地があるかを見ます。

今の状態先に確かめること最初の仕事の候補
対象顧客との接点が少ないその人が情報を探す場所と、今ある接点検索需要に合う記事、紹介先、広告などを比較する
ページは見られるが相談が少ない読者の課題と説明が合うか、相談先が分かるか内容・事例・導線・フォームを見直す
問い合わせは来るが商談にならない対象外の問い合わせか、対応が遅いか、期待が違うか営業と記録を確認し、訴求や対応を直す
仕事は進むが結果が分からない計測できているか、営業結果とつながるか指標の定義と記録方法を整える

たとえば、対象顧客からの問い合わせはあるのに商談にならないなら、記事を増やす前に営業との確認が候補になります。ただし、数件の結果だけで流入施策を止めるのも早計です。件数と期間を添えて、どこまで分かるかを共有します。

複数の仕事を並行すること自体が悪いわけではありません。実行する人と確認する人が足りるか、何を変えたかが残るかで判断します。施策の結果を待つ間に、次の候補を調べたり、原稿を準備したりして構いません。

今週の仕事を「自分・社内・AI・外注」に分ける

マーケティング担当が一人でも、すべての判断と作業を一人で引き受ける必要はありません。AIには案の作成や分析を任せられますが、会社としての約束や予算を決める責任者は別に定めます。

仕事AIに渡せる部分人や外部の担当者が持つ部分
施策の優先順位資料と実績を整理し、候補と採否の理由を作る事業目標、予算、社内の優先事項との合意
記事・LP制作調査、構成、原稿、画像案、修正案事実・訴求の確認、公開する範囲の判断。専門的な制作は外注も候補
実績の振り返り取得できる数字の集計、変化と原因仮説の整理計測条件の確認、営業事情の補足、次の投資判断
顧客理解商談記録の分類、よく出る課題の整理顧客との対話、記録の利用可否、推測と事実の確認

AIへの依頼は「記事を書いて」だけでなく、読者、売りたい商品、使ってよい資料、完成条件まで渡します。利用するツールや接続が対応していなければ、データ取得や公開までは実行できません。任せる範囲は実際の環境で確認します。

外注先にも同じように、作ってほしいものと判断の基準を渡します。マーケティングの外注範囲と費用の比較では、依頼前にそろえる項目を整理しています。

上司への相談に、そのまま使える業務整理表

仕事を断るか抱えるかの二択になる前に、既存業務と新しい依頼を同じ表に置きます。「何を先に進めるか」「追加すると何が遅れるか」を一緒に決めやすくなります。

相談時には、各仕事の概算時間と期限も添えます。時間がまだ読めなければ、見積もるための調査・試作を先に決めます。

仕事目指す成果・根拠担当・今週の扱い
サービスページ改善対象顧客からの相談を増やす。営業から、支援内容が伝わっていないという指摘ありAIが修正案を作り、営業責任者が内容を確認。指摘箇所を直す
新規記事未接点の顧客に情報を届ける。検索需要・競合・自社事例は調査中AIが調査と構成案を作成。マーケ担当が調査後に制作を判断
新しいSNSを開始成果は未定。「競合が始めた」という情報のみ顧客がいるかを調べて上司に相談。運用開始は保留

この表も記入例であり、サービスページを必ず最優先にする意味ではありません。自社で確かめられた事実に置き換えて使ってください。

上司には、たとえば「この依頼を追加すると、今週予定していたページ改善が遅れます。どちらを先にしますか」と相談できます。作業時間が読めなければ、調査や試作まで進めて見積もりを直す方法もあります。

AIを入れるなら、繰り返す仕事を一つ動かしてみる

最初の候補は、資料がそろい、完成物を確認でき、繰り返し発生する仕事です。毎週の実績整理、記事の調査と構成、営業資料の更新などから選べます。

たとえば実績整理なら、「レポートを作る」だけで終わらせず、次のように依頼します。

今月の商談を増やすために、添付したページ別の実績と問い合わせ記録を整理してください。対象期間と指標の意味を確認し、分からない値をゼロにしないでください。数字から分かること、考えられる原因、次に確認することを分け、施策候補を理由付きで示してください。外部への公開や送信は行わないでください。

初回は、出力の量よりも、確認と修正にどれくらい手間がかかるかを見ます。毎回同じ説明を追加しているなら、必要な資料や基準を共通の置き場所へまとめます。毎回大きく直すなら、任せる範囲や手順を見直します。

AIをマーケティングの担当として動かす具体的な準備は、AIマーケターの導入と仕事の任せ方で説明しています。

最初の一週間でそろえるもの

一週間は着手の目安です。資料や社内合意がそろっていれば前倒しでき、足りなければ必要な確認から進めます。

  1. 目標と現在地の一枚:売りたい商品、対象顧客、今の接点、商談までの詰まりを整理する。
  2. 仕事の優先順位表:今週進める仕事、保留する仕事、担当と確認者を決める。
  3. AIまたは外注への最初の依頼:資料、成果物、完成条件、費用と権限の範囲を渡す。
  4. 次回確認する数字と日付:施策ごとの変更日を残し、同じ条件で比較する。

振り返りでは、記事本数などの作業量と、問い合わせ・商談・受注を別に見ます。LINEへの遷移も、友だち追加や相談の発生とは別の数字です。結果がまだ出ていない仕事を失敗と決めず、確認できたことから次を選びます。

一人で作業を抱え続けない体制へ

ひとりマーケターに必要なのは、今の人数でできる仕事を正確に見積もり、社内・AI・外部の力を組み合わせることです。目標と優先順位を共有できれば、新しい依頼が来ても、何を進めて何を後にするかを相談できます。

自社に合う業務分担とAIの動かし方まで整えたい場合は、当社のAIマーケターチーム構築支援をご覧ください。まず自分の仕事で試したい方には、LINEでマーケティングスキルの案内を受け取る入口も用意しています。

SHARE

著者について

山本至人

山本至人

200社以上の中小企業マーケティングを支援。WHO-WHAT-HOWフレームワークをAIに組み込んだMyMarketerの開発者。株式会社WHAT代表取締役。東京大学松尾研AI経営修了。

法政大学法学部卒業。映像制作事業やDtoCアパレルブランドなど複数の新規事業立ち上げにCMOとして携わる。2023年株式会社WHAT設立。外部CMOサービスにて多くの企業のマーケティング支援を実施。東京大学松尾研AI経営修了。

  • 株式会社WHAT 代表取締役
  • 東京大学松尾研 AI経営寄付講座 修了
  • 複数企業の外部CMOとしてマーケティング支援を実施

関連記事

ルクアサウスと大丸は何が違う?キャラクター店舗を上層階に集める理由
マーケティング

ルクアサウスと大丸は何が違う?キャラクター店舗を上層階に集める理由

ルクアサウスと大丸梅田店の違い、11月24日の第2期開業と新店を整理。なぜ上層階にキャラクター店舗を集めるのか、来館・回遊・再来館を分けて集客戦略を読み解きます。

SEOレポート自動化をAIで試す|入力・引き継ぎ・修正の実例
AIマーケティング

SEOレポート自動化をAIで試す|入力・引き継ぎ・修正の実例

GSC・GA4の週次SEOレポートをAIへ任せるための指示書・入力・確認手順を紹介。架空データでの実出力、CTRの誤推論と訂正、前回判断の引き継ぎ、欠測時の保留を一件ずつ確かめます。

AI社員の作り方|単発のAI依頼との違いと継続運用の始め方
AIマーケティング

AI社員の作り方|単発のAI依頼との違いと継続運用の始め方

AI社員とは何か、AIに一度頼むことと何が違うのか。記事内の定義、業務共通の指示書、継続運用の条件を解説し、LP制作は最初の一件を試す例として紹介します。

AIでLPの構成から実装まで進める方法|制作例と工程ごとの確認点
マーケティングAI

AIでLPの構成から実装まで進める方法|制作例と工程ごとの確認点

西武渋谷店はなぜ閉店するのか|赤字より重かった「土地を持たない」という弱点
マーケティング

西武渋谷店はなぜ閉店するのか|赤字より重かった「土地を持たない」という弱点

2026年9月30日に閉店する西武渋谷店。直接の理由は業績不振ではなく、権利者から明け渡しを求められたことでした。同じ会社の池袋本店が生き残った理由と並べて、「土地を持たない事業」の弱点を解説します。

マーケティングの内製化は「人を雇う」だけじゃない|AIで進める内製化の手順と失敗しないコツ
マーケティングAI

マーケティングの内製化は「人を雇う」だけじゃない|AIで進める内製化の手順と失敗しないコツ

マーケティング内製化の範囲を、AI・社内担当者・外注先の分担から整理。業務比較票と総工数の費用例、架空データを使った実AI出力の訂正・引き継ぎ見本で、自社で続けられる体制を考えます。

AIマーケチームで、約200万円・300時間分の仕事を内製化。

マーケ担当1人+AIだけ。SEO・広告・SNS・LP・資料作成。構築方法と実際の成果物を公開。無料PDF・全16ページ。

1か月の運用事例。金額は外注換算、時間は手作業で行う場合の推定工数です。

実践レポートを無料で受け取る

担当1人・1か月の運用を、そのまま収録。

受付完了後にダウンロードできます。

入力情報は資料のご案内・お問い合わせへの回答に利用します。
プライバシーポリシー