広告代理店から改善提案がないときは?依頼の見直しとAI活用の進め方
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広告代理店から改善提案がないときは?依頼の見直しとAI活用の進め方

山本至人
22分で読めます

広告代理店から月次レポートは届く。でも、「来月、何を変えるか」が分からない。数字を見て打ち合わせをしても、同じ運用が続いている。

そんなときは、提案を頼む前に「どの仕事を買っているか」を確認してみてください。広告を設定して適切に配信する仕事と、顧客を理解し、訴求やLPまで考えて改善する仕事では、必要な役割も時間も変わります。

代理店の料金体系、契約で担う範囲、実際の担当体制を見直すと、提案が出ない理由と次の手が見えてきます。少額の広告なら、自社の商品を知る担当者がAIと広告運用のスキルを使い、分析や制作を自社で進める方法もあります。

この記事では、その見分け方と、代理店へ送れる依頼文、具体的な修正案を紹介します。MyMarketerを使って、自社の情報と実務スキルをAIへ渡す進め方も説明します。

広告費に連動する手数料は、どの仕事への対価か

広告運用の料金には、広告費に一定の料率を掛ける方式があります。たとえばASUEの公開FAQでは、広告費の20%、手数料の下限は10万円と案内されています。一方、ログラインの少額予算向けサービスも20%ですが、最低手数料は設けないとしています。料率だけでなく、最低料金や支援範囲にも違いがあります。

仮に広告費の20%だけで計算するなら、広告費が月10万円の案件では手数料2万円、月100万円なら20万円です。これは仕組みを示す単純計算で、各社の見積もりではありません。最低料金・初期費用・制作費・税は、見積もりの条件に沿って別に確認します。

広告費が小さくても、商品を理解し、顧客の悩みを調べ、広告とLPの改善案を作る仕事は発生します。その仕事の量と料金が見合うよう、最低料金、対応範囲、担当体制などが設計されます。

ここで見たいのは、手数料が高いか安いかに加え、自社が必要とする仕事がその中にあるかです。広告費を増やせば代理店の報酬も増える方式でも、その事実だけで不要な増額を勧めているとは判断できません。増額提案には、期待する成果、現在の結果、採用する理由と検証条件を確認しましょう。

配信を任せるのか、戦略と訴求の設計まで任せるのか

同じ「広告運用」でも、相手が担う仕事はそろっていません。次の違いを、契約時の説明と実際の完成物で確かめます。

担う仕事確認したい具体的な内容
配信の管理入稿、設定、予算消化、審査・配信異常への対応
数値からの改善成果の定義、データの分解、原因の候補、設定や配分の見直し
戦略・訴求の設計誰のどんな場面を狙い、何を伝え、なぜ反応を得られると考えるか
制作と導線の改善広告文・画像・LPの実物、問い合わせ後の期待との整合

たとえば法人研修なら、「研修担当者を狙う」だけで、広告の表現までは決まりません。上司からAI活用を進めるよう言われたものの、現場で何に使えるかを説明できずに困っている。その人へ「業務ごとの使い方を持ち帰れる研修」と伝えたら、内容を確認したくなるかもしれません。これは顧客の気持ちと反応を考える仮説で、実際の相談記録や配信結果から確かめる必要があります。

ここまで考え、文面や画面へ落とし、結果を見て考え直す仕事を頼みたいなら、その担当が誰かを確認します。配信管理の契約に、顧客調査やLP制作まで含まれると思っていると、期待がずれます。

実際にLnXのサービス案内のように、戦略設計から制作・運用までを掲げる事業者もあります。代理店という名称では判断せず、どこからどこまでを担い、何を提出するかを比べましょう。改善の仕事を担うことと、売上や成果を保証することも別です。

担当者が何社持つかより、自社に必要な確認が回るかを見る

一人の運用担当者が複数の案件を持つ体制では、一社ごとにどこまで分析・制作の時間を割けるかが大切になります。代理店自身の選び方の資料でも、扱うアカウントが多いと一社に使う時間が少なくなる場合があると説明されています。

ただ、担当件数や広告予算だけで、運用品質は決まりません。自動監視、分担、専門担当の支援があれば、多くの案件でも仕事を進められる場合があります。逆に、大きな予算を預けたから戦略から制作まで見てもらえるとも限りません。

月次報告しか接点がないときも、それだけで「月に一度しか見ていない」とは分かりません。次の内容を聞くと、実際の仕事が見えます。

  • どのデータを、どんな変化があったときに確認するか。
  • 全体の平均だけでなく、広告別・検索語句別・相談内容別に原因を調べているか。
  • 配信異常や対象外の問い合わせが増えたとき、誰がどう対応するか。
  • 前回の変更を何で評価し、次の案にどう反映したか。

たとえば問い合わせ単価は変わっていなくても、対象外の相談が増えていれば、事業としては見直したい状態です。広告のダッシュボードと営業の記録をつなげ、そこまで確かめる担当がいるかを見ます。毎日設定を変更することを、丁寧な運用の条件にする必要はありません。

広告代理店から改善提案がない原因を、仕事の流れで確かめる

「提案が少ない」と感じたら、まず直近のレポート、打ち合わせの記録、契約時に決めた担当範囲を並べます。何が足りないかによって、次の依頼が変わります。

今の状態確かめること次に頼むこと
媒体設定の報告はあるが、広告文やLPの改善案がない契約に分析・企画・制作が含まれるか対象範囲と追加費用を確認し、必要な仕事の担当を決める
問い合わせ件数は見ているが、その後の結果を知らない商談・購入や対象外の理由を共有しているか営業結果と広告実績を合わせて、原因の候補を出してもらう
案はあるが、いつまでも変わらない承認、素材提供、実装のどこで止まっているか実施担当、必要な材料、期限を決める
変更したばかりで結論が出ていない結果が出るまでの時間と、今確認できる件数途中で何を確認するか、再判断する条件を共有する
理由や次の仕事を聞いても、説明がない合意した分析・提案業務が行われているか回答と対応予定を求め、継続できる条件を見直す

LP制作が契約に含まれていなければ、代理店だけではページを直せないかもしれません。その場合も、原因の分析や修正方針は誰が担い、原稿と実装は誰へ渡すかを決めれば、仕事は進められます。

逆に、提案業務が含まれ、材料も共有しているのに、毎回数字の報告だけで終わるなら、その不足を具体的に伝えます。「提案がない」という不満を、約束した仕事と受け取れていない完成物に分けると、対応してほしいことが明確になります。

改善提案には「何を変えるか」と「なぜ変えるか」が必要

レポートは、結果を知るための材料です。改善提案は、その結果を受けて何をするかを判断するための材料になります。

たとえば「クリック率が下がったので、クリエイティブを改善します」だけでは、採用する案も、良くなったかを見る方法も分かりません。誰へ何を伝え直すのか、実際の文面や画面まで見たいところです。

法人向け研修サービスで、個人の受講希望が多い場合を考えてみます。以下は、提案の内容を説明するための架空例です。

課題:問い合わせは来ているが、法人の研修相談につながりにくい。
確認できたこと:営業の分類では個人受講の希望が複数ある。広告は「AIを仕事で使えるように」という表現で、法人向けの支援であることが冒頭では分からない。
原因の候補:対象と提供範囲が伝わらず、個人向け講座として受け取られている可能性がある。検索語句や流入先も確認する。
修正案:広告文とLP冒頭に「法人向け」「部門でのAI活用」を加える。相談ボタンも研修担当者の相談だと分かる表現へ変える。
担当:代理店が広告案と配信設定、自社がサービス内容の確認とLP反映を担当する。制作が追加契約なら、着手前に費用を確認する。
見る結果:総問い合わせ数に加え、法人からの相談、有効な商談、対象外の理由を確認する。比較期間、広告費、営業判定の状況も残す。

こう書かれていれば、「原因の見方は合っているか」「その言い方で商品を約束できるか」「誰が動けば実施できるか」を確認できます。

また、対象外の相談が減っただけで、改善成功とは言い切れません。法人からの相談まで減っていれば、表現を絞りすぎた可能性もあります。提案時点で何を確認するかを決めておくと、問い合わせ単価だけを見て結論を出すことも減らせます。

代理店へそのまま送れる、改善提案の依頼文

漠然と「もっと提案してほしい」と頼むより、困っている状態と受け取りたいものを渡します。次の文面を、自社の状況と契約に合わせて使ってください。

件名:次回の広告改善案について

現在、問い合わせは来ていますが、[対象外の相談が多い/商談化しにくい等]という課題があります。広告実績に加えて、営業で確認した判定理由を共有します。

次回は、数字の報告と合わせて、以下を確認したいです。

・考えられる原因と、その根拠。まだ確かめる必要があること。
・先に変える広告・LPの箇所と、実際の文面や画面の修正案。
・その案を選ぶ理由と、今回は見送る案。
・実施担当、必要な素材、追加費用の有無、対応予定。
・何を見て継続・修正を判断するか。検証に使う予算の上限と、結果を確認する時点。

契約に含まれない仕事や、自社で用意すべき情報があれば、事前に教えてください。[次回打ち合わせ日]までに、どこまで用意できるかも確認したいです。

情報は、自社の共有ルールに従って渡します。顧客の個人情報を除いても、法人・個人の違い、相談内容、商談にならなかった理由など、改善の判断に必要な情報は整理できます。

共有できない記録がある場合は、何が分からないかも伝えます。代理店が営業結果を知らないまま、商談の質まで改善できているように評価してしまわないためです。

返ってきた提案は、原稿と実行予定まで見て判断する

先ほどの研修サービスなら、「法人向けを強調」という方針に、たとえば次の原稿が付いていると、社内で確認できます。

広告文の案
部門でAIを活用したい企業の研修担当者へ。現場の業務に合わせた法人向けAI研修。支援内容と進め方をご覧ください。

LP見出しの案
部門で使えるAI活用を、研修から。

LP本文の案
企業の研修担当者・部門責任者向けのAI研修です。対象部門と、AIを使いたい業務を伺い、研修内容をご相談します。

相談ボタンの案
法人研修の内容を相談する

これは架空サービスの修正見本です。実際に業務に合わせた研修を提供できるかは、サービス担当者が確認します。提供していない内容を追加して問い合わせを増やしても、後の商談でずれてしまいます。

返答が「引き続き最適化します」だけなら、どの箇所を変えるか、いつ変えるかを補ってもらいましょう。材料が足りないという回答なら、何が足りず、どの判断に必要かを聞きます。案はできていて承認待ちなら、自社の確認者と期限を決めます。

少額の広告は、自社の担当者とAIで細かく見られる場合がある

自社の担当者は、商品の強み、提供できないこと、顧客が相談してくる背景を知っています。その情報を広告実績と合わせてAIへ渡せれば、全体の数字だけでは気づきにくい改善案を用意できます。

先ほどの研修なら、代理店のレポートには「問い合わせ」とだけ載っていても、自社には「個人受講の相談だった」「部門への導入方法を聞かれた」という営業の記録があります。この違いを分析に使えるのは、自社が関与する価値です。

広告予算が小さく、外注契約では分析・制作まで十分に頼めない場合、自社で担当を決め、AIへ集計や原因の整理、修正案の制作を任せる方が、必要な確認を行き届かせやすいことがあります。担当者が結果を確認する時間を持ち、必要なデータへアクセスできることが前提です。

まず分析と制作を自社へ持ち、媒体運用は代理店へ残す方法もあります。設定、計測、予算管理まで自社で扱える体制が整ったら、その範囲も比較する。自社で回すための確認・修正時間と、残す外注費も含めて選びます。

AIへは、レポートだけでなく、現在の広告、LP、商品情報、問い合わせ後の結果、前回変えたことを渡します。次のように依頼すると、分析と制作がつながります。

法人向け研修の広告とLPを見直します。添付した資料から、対象企業の相談につながらない理由を整理してください。事実と原因の候補を分け、優先する修正箇所、広告文とLPの完成原稿、代理店へ渡す変更一覧を作ってください。商品情報にない約束は加えず、確認先を示してください。媒体の設定変更と公開は行わず、まず社内確認用として用意してください。

受け取った案は、自社で事実と狙いを確認し、代理店へ次のように渡せます。

変更する箇所自社で用意するもの代理店へ確認・依頼すること
広告文確認済みの法人向け訴求と原稿媒体の条件に合わせた調整、設定と配信案
LP冒頭・相談ボタン確認済みの原稿と掲載ページ広告との整合、遷移先と計測への影響
問い合わせ後の評価営業の判定基準と集計結果配信実績と合わせた結果の整理、次の改善案

自社の案をそのまま採用させる必要はありません。代理店が媒体実績から別案を出したら、根拠と変更内容を比べて選べます。AIで準備できる仕事が増えると、打ち合わせを具体的な原稿と判断の場へ進めやすくなります。

分析から原稿・結果確認までの詳しい例は、AIを使った広告運用の内製化でも紹介しています。MyMarketer自身も、このようにエージェントへ制作・分析を渡し、人が方向と完成物を判断しています。自社の制作記録はAIマーケティングチーム構築支援のページで確認できます。

MyMarketerで、商品理解に広告運用の実務スキルを組み合わせる

自社の商品をよく知っていても、広告の分析、訴求の設計、計測や検証の進め方まで一から学び直すのは大変です。そこで、担当者の事業理解と、プロの実務手順を使うAIを組み合わせます。

MyMarketerは、事業の情報とマーケティングの実務スキルを、対応するAIへつなぐための基盤です。Codexなどのエージェント環境に必要なスキルとデータ接続を整え、広告の分析から訴求・制作・結果確認へ仕事をつなぎます。

たとえば担当者が「法人の研修相談を増やしたい」と伝える。AIが対象期間と計測条件を確かめ、広告別の数字と問い合わせの判定理由を読み、原因の候補を整理する。そこから、対象に伝わる広告文とLPの修正案を作り、変更後に何を見るかを残す。担当者は、自社の実情に合うかと、実施する範囲を判断します。

この進め方なら、担当者が広告の手順を毎回一から考え、AIへ細かく教える負担を減らせます。事業の情報、選んだ理由、制作物、結果を関連づけて残せば、次の改善でも同じ材料を使えます。

現在、無料の手動受取パッケージには、LP構成・コピー、LP画像制作、広告コピーのスキルがあります。事業全体の戦略や計測データとの連携はPersonal・Teamの範囲です。広告分析に必要な接続や、媒体操作まで任せられるかは、利用環境と権限に合わせて整えます。MyMarketerの提供範囲と対応環境

まずは広告文やLPの修正を自分の仕事で試し、使える完成物ができるかを確かめる。その手応えをもとに、分析や運用まで社内へ広げるかを判断できます。

自社担当者が商品と顧客を理解し、AIが実績整理と制作を進め、代理店が契約範囲の媒体運用と専門対応を担う分担の説明図
自社・AI・代理店の分担例です。目的と結果は共有し、実際の担当範囲は契約と利用環境に合わせて決めます。 図を拡大して見る

代理店を継続するか、分担を変えるか、変更するか

改善提案を依頼した後は、提案の本数だけで評価せず、必要な仕事が実際に進むかを見ます。次のように分けると、選択肢が整理できます。

確認できた状態選ぶ対応
必要な情報を共有すると、具体案と実施予定が出て、結果も確認できる継続し、情報共有と改善の進め方を定例化する
媒体運用は進んでいるが、LP・制作は契約外代理店の範囲を維持し、自社・AI・制作会社で補うか、追加依頼を比較する
分析や原稿は自社で作れ、媒体運用は専門家が必要部分内製に変え、残す仕事に合わせて契約範囲と費用を相談する
合意した分析・提案・実施が行われず、説明と対応も得られない影響と改善の見込みを確認し、代理店変更を検討する

変更する場合は、新しい代理店の提案内容に加えて、今の広告アカウントへのアクセス、制作物の利用条件、計測設定、過去の変更履歴を引き継げるか確認します。契約の解約条件や引き継ぎ時期も、実際の契約内容に沿って確かめます。

「何か月提案がなかったから変更」「予算が小さいから仕方ない」と一律に決めると、契約の問題と、実行の問題を混ぜてしまいます。自社に必要な仕事と、相手が提供する仕事が合うか。その仕事を約束どおり進められるかを見ます。

依頼範囲そのものを整理したい場合は、マーケティングの外注範囲と費用の比較も参考になります。

次回の打ち合わせを、実行することが決まる場にする

次回の打ち合わせでは、困っている結果、選ぶ修正案、実施担当、費用、確認する結果をひとつの記録へまとめましょう。

先ほどの例なら、議事録に「法人向けの表現を広告とLPへ反映。広告は代理店、LPは自社が担当。双方の準備が整った日に掲載し、変更日を残す。法人からの相談と商談、対象外の理由を、判定が済んだ範囲で確認する」と書けます。次回はこの記録を見て、実施できたことと、結果から次に変えることを話します。

まず自社の広告文やLPの制作を試したい方は、MyMarketerの無料スキルと連携方法をご覧ください。Codex向けの受取案内から始められ、AIサービスの利用料は別途かかります。LPの制作例と受け取り方は、無料LP制作プラグインのページでも確認できます。

営業の情報から改善案をつくり、制作や媒体運用へ渡す体制まで整えたい場合は、AIマーケティングチームの構築支援をご覧ください。今の代理店に任せる仕事を含め、御社で進めたい範囲を相談できます。

代理店へ改善を頼むときは、何に困っていて、何を受け取りたいかを具体的にする。返ってきた案を実物と根拠で選び、実行と結果確認までつなぐ。そこが進めば、レポートの次にやることが見えるようになります。

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著者について

山本至人

山本至人

200社以上の中小企業マーケティングを支援。WHO-WHAT-HOWフレームワークをAIに組み込んだMyMarketerの開発者。株式会社WHAT代表取締役。東京大学松尾研AI経営修了。

法政大学法学部卒業。映像制作事業やDtoCアパレルブランドなど複数の新規事業立ち上げにCMOとして携わる。2023年株式会社WHAT設立。外部CMOサービスにて多くの企業のマーケティング支援を実施。東京大学松尾研AI経営修了。

  • 株式会社WHAT 代表取締役
  • 東京大学松尾研 AI経営寄付講座 修了
  • 複数企業の外部CMOとしてマーケティング支援を実施

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