AIで広告運用はどこまで内製化できる?引き継ぎと改善の進め方
広告運用を代理店に任せているけれど、毎月の費用も気になるし、改善を頼むたびに時間がかかる。AIを使えば、自社でも回せるのではないか。
AIを使って広告運用を内製化することはできます。 実績の集計、改善案の検討、広告やLPの制作、対応するツールを通じた入稿・変更まで、社内で進める範囲を広げられます。ただし、任せられる範囲はAIの接続先と権限によって変わります。AIを契約しただけで、代理店が担っていた仕事が全部移るわけではありません。
最初に決めたいのは、どんな顧客を増やすのか、何を成果として数えるのか、誰が予算と変更に責任を持つのか。この三つです。そのうえで、AIがデータを調べ、改善案と制作物を用意し、許可した範囲を実行できる環境を整えます。
この記事では、広告運用を外注している企業が、どの仕事から内製化するかを判断できるように、分担、代理店からの引き継ぎ、改善の具体例、費用の比べ方まで説明します。
広告媒体のAIと、運用を進めるAIは役割が違う
「広告はもうAIが運用しているのでは?」と思うかもしれません。
たとえばGoogle広告のスマート自動入札は、設定された目標に沿って、オークションごとの入札を最適化します。問い合わせ数やコンバージョン値を増やすための仕組みです。Google広告の公式説明
でも、問い合わせが増えた先で、営業担当者が「対象外の相談ばかりだ」と困っていたらどうでしょう。問い合わせの獲得単価だけを見ていると、その違いを見落とします。
社内で必要なのは、営業の結果まで見て、何を変えるかを決め、その変更を形にする仕事です。ここにもAIを使えます。
| 役割 | 具体的に任せる仕事 | 用意するもの |
|---|---|---|
| 広告媒体のAI | 設定した成果を目指した入札や配信の最適化。対応範囲は媒体・配信方式による | 成果の計測、予算、配信対象、広告素材 |
| 文章・画像を生成するAI | 広告文、バナー案、レポートの草案を作る | 商品情報、相手に伝える内容、表現の根拠 |
| ツールを使えるAIエージェント | 許可された実績や顧客情報を読み、改善案から制作・変更・結果確認まで進める | データや制作ツールへの接続、仕事の手順、実行できる範囲 |
これらは組み合わせて使えます。媒体の自動入札を使いながら、AIエージェントが広告と営業の結果を調べ、次に試す広告やLPを作る、という体制です。
大切なのは、社内に残す判断を曖昧にしないことです。売りたい商品の条件、対応できない顧客、利益を踏まえた広告費の上限は、会社側が決めます。AIには、その前提を使って仕事を進めてもらいます。

全部を引き取る前に、止まっている仕事から移す
広告運用の内製化には、配信操作をすべて社内で行う形だけでなく、制作や分析を自社へ移し、専門的な運用を外部に残す形もあります。
今の困りごとに合わせて、最初に引き取る仕事を選んでください。
| 今、困っていること | 先に内製化する仕事 | 当面、外部に残す仕事 |
|---|---|---|
| 商品や顧客の話が広告に反映されるまで遅い | 顧客情報から訴求を考え、広告文・画像・LP案を作る | 入稿、配信の調整。制作物の形式や受け渡し期限を合意する |
| レポートは届くが、次に何をするか決まらない | 広告実績と商談・購入結果を合わせて分析し、改善案を作る | 配信操作。社内で採用した案を実行してもらう |
| 制作も分析もできるが、毎回の設定変更で待つ | 対象を絞った入稿・変更・結果確認 | 難しい計測設定、障害対応、定期的な専門レビュー |
| 計測が合っているか分からず、数字も説明できない | 成果の定義を社内で決め、計測の確認に参加する | 計測修正と当面の運用。ここを解決してから移す |
未経験の担当者が、広告費を使う判断まで急に一人で引き受ける必要はありません。最初はAIが作った広告案や分析を、代理店や経験者と一緒に確認する形でも進められます。
一方、数字を見て変更の妥当性を判断する人も、異常時に対応する人も置けないなら、配信操作までの内製化は急がない方がよいでしょう。担当者の人数より、「この変更を進めてよい理由を説明できるか」が分かれ目です。
AIエージェントで、分析から広告の修正まで進める例
ここからは、法人向けの研修サービスを題材にした架空の例です。数値・原稿・判断は説明用で、実際の運用実績やAIの実行ログではありません。
この会社は、問い合わせは取れているものの、個人で受講したい人からの相談が多く、営業につながりにくいことに困っています。提供しているのは企業向けの研修で、個人向けの講座は扱っていません。
1.広告の数字に、問い合わせ後の結果をつなぐ
まず、エージェントが参照する材料をそろえます。
- 広告管理画面:キャンペーン別の費用、問い合わせ、検索語句、現在の広告、変更履歴。
- 顧客管理の記録:問い合わせID、獲得元、問い合わせ日、法人・個人、対象外の理由、営業の対応状況。
- 商品資料とLP:提供対象、研修内容、問い合わせ後の流れ、現在の説明。
接続できる環境なら、参照権限を設定してエージェントが必要なデータを取得します。接続がない部分は、必要な列に絞ったCSVと資料を渡す方法でも始められます。AIに個人情報を渡す前に、会社が認めた利用環境と取扱範囲を確認し、分析に不要な氏名や連絡先は除きます。
広告側と顧客管理側を結ぶ獲得元やIDが残っていなければ、広告ごとの問い合わせの質は比べられません。まず記録方法を整えます。別々の集計表を渡しただけで、AIが正しく結びつけてくれるとは考えないでください。
以下は、同じ月に獲得した問い合わせを、すべて一次確認し終えた時点の比較です。重複を除き、「企業の研修担当者からの相談」を有効な問い合わせとして数えています。
| 項目 | キャンペーンA | キャンペーンB |
|---|---|---|
| 広告費 | 60,000円 | 60,000円 |
| 問い合わせ数 | 20件 | 10件 |
| 問い合わせ1件あたりの広告費 | 3,000円 | 6,000円 |
| 有効な問い合わせ数 | 2件 | 5件 |
| 有効な問い合わせ1件あたりの広告費 | 30,000円 | 12,000円 |
問い合わせ単価だけなら、Aの方がよく見えます。営業につなげたい相手という基準では、Bの方が安く獲得しています。ただし、この少ない件数だけでAを停止したり、Bへ予算を寄せたりする判断はまだ早い。問い合わせの内容と検索語句を見て、差が生まれた理由を調べます。
2.原因の候補を絞り、変える箇所を選ぶ
この例では、Aの対象外18件のうち12件が、個人向け講座を探していた人からの問い合わせだったとします。検索語句にも個人受講を意図するものがあり、広告とLPの冒頭には「誰でも学べる研修」と書かれていました。
ここまで確認できれば、「Aは成果が悪い」で終わらず、企業向けであることが伝わっていない可能性を具体的に検討できます。
ただし、検索語句と問い合わせを一人ずつ結びつけられていないなら、その語句が12件を生んだと断定はできません。検索語句と問い合わせ内容の両方に、同じ方向のずれが見られる、という仮説です。
エージェントから受け取る改善案は、たとえば次の内容になります。
今回、試すこと:キャンペーンAの広告で、企業向け研修であることを明示する。LP冒頭も同じ対象を示す。
理由:対象外の相談に個人受講希望が多く、広告とLPにも対象を広く見せる表現がある。
今は採用しない案:Aを止めてBへ全額移す。件数が少なく、Bで予算を増やした場合にも同じ効率が続くかは分からない。
追加確認:個人受講を明確に意図する検索語句を抽出し、法人の研修担当者が使う語句を除外しないか確認する。
評価するもの:有効な問い合わせの件数と獲得単価。問い合わせ総数の減少だけでは失敗と決めない。
この段階で、社内担当者は「本当に個人受講は受け付けないか」「法人でも対象外となる条件はあるか」を確認します。商品側の条件が曖昧なら、広告の表現だけを先に直すと、また別のずれが起きます。
3.「訴求を改善する」を、広告文とLP原稿にする
採用する方針が決まったら、エージェントには編集できる原稿や画像、LPの変更案まで作ってもらいます。この例なら、文章は次のように変えられます。
| 箇所 | 変更前の例 | 変更案 |
|---|---|---|
| 広告の見出し | 誰でも学べる研修 | 法人向け社員研修 |
| 広告の説明文 | 仕事に役立つ研修をご紹介。まずはお問い合わせください。 | 社員研修を検討中のご担当者さまへ。研修内容・対象者を整理してご相談いただけます。 |
| LPの冒頭 | 学びで、可能性を広げよう。 | 社員研修を検討している企業のご担当者さまへ。 |
| 問い合わせ前の案内 | 研修について相談する | 法人向け研修について相談する。個人向けの受講は受け付けていません。 |
新たな実績や割引を足さなくても、「誰のための商品か」は伝え直せます。実際の原稿では、提供している研修の種類や選ばれる理由も、商品資料を根拠に加えます。入稿時には媒体の文字数・表現規定と、LP上の表示を確認します。
広告とLPを同時に直す場合は、対象の伝わり方を一緒に改善する試行です。どちらの変更がどれだけ効いたかを分けて測りたいなら、変更を分けるか、媒体・サイトの対応するテスト機能を使う設計が必要です。
4.決めた範囲を実行し、次回はその結果から始める
変更案だけでなく、「どの広告を、何に変えるか」が分かる一覧を作ります。元の文面、変更後の文面、対象、実施日を残せば、担当者が変わっても経緯をたどれます。
この例では、まず予算と入札設定を据え置き、採用した広告・LPの修正だけを実行する設計です。エージェントに実行させるには、対象ツールへの書き込み権限と、許可する操作範囲を用意します。対応していなければ、完成した原稿と変更一覧を担当者が反映します。
毎回すべてを手動承認する運用も、決めた範囲を自動実行する運用もあります。たとえば実績の収集と週次集計は自動にし、新しい訴求の公開と予算の変更は担当者が決める、と分けられます。取得に失敗したときは「成果ゼロ」として判断せず、未取得として知らせるようにします。
試す前に、今回の検証に使える費用の上限、確認日、問い合わせを一次確認し終えるまでの待ち時間を決めます。フォームが動かない、計測が途切れるなどの異常は、確認日を待たず対応します。
同じ架空例の続きとして、変更後も広告費を6万円使い、問い合わせが20件から10件へ減ったとします。そのうち有効な問い合わせが2件から4件へ増えていれば、有効な問い合わせの獲得単価は3万円から1万5千円になります。総数が減ったから失敗、とは言えません。
次の行動は、結果に応じて分けます。
- 一次確認が終わっていない:有効件数がまだ確定していないため、評価を保留する。待っている間も配信費用はかかるので、決めた検証上限を守る。
- 有効な問い合わせが増え、獲得単価も下がった:改善の兆候として、許可した範囲で検証を続ける。この例の4件だけで大幅に増額せず、同じ傾向が続くかを見る。
- 有効な問い合わせが増えず、費用だけが増える:対象外の理由と変更箇所を見直す。企業向けであることは伝わったのに相談が進まないなら、研修内容や相談する理由の説明を次の候補にする。
- 検証の費用上限に達した:自動で使い続けず、試行の配信を止めるか、上限内での検証を終える。継続するなら、担当者が追加予算と調べたいことを決める。
前後の比較では、時期、検索需要、営業対応なども変わります。今回の変更が成果を生んだと証明する数字ではありません。それでも、何が分かり、何をまだ判断できないかを分ければ、次の費用を使う理由は具体的にできます。
そして、採用した理由と実施後の結果を、次回も参照する案件の記録へ残します。「前回何を変えたんだっけ」からやり直さなくてよくなることも、エージェントを継続して使う価値です。
なお、有効な問い合わせや成約を媒体側の最適化に使いたい場合は、別途その結果を戻す計測が必要です。Google広告には、有望な見込み顧客などを計測する仕組みや、オフラインの成果を取り込む方法があります。社内の表へ記録しただけでは、広告側の学習には反映されません。見込み顧客の計測・オフラインコンバージョンの設定
代理店からは、アカウントと一緒に「判断の理由」を引き継ぐ
内製化すると決めたら、アカウントへログインできることに加えて、運用を続けるための材料が手元にあるか確認します。代理店との契約によって、引き継げるデータや制作物は異なります。
| 引き継ぐもの | 確認する内容 | ないと困ること |
|---|---|---|
| 広告アカウントと請求 | 所有・管理の関係、自社の管理者、支払い方法、代理店との接続 | 契約終了後に操作や支払いができなくなる |
| 成果の計測 | 成果として数えているイベント、タグの設置先、広告・アクセス解析・顧客管理の対応 | 設定を変えた後の増減が、成果か計測の違いか分からない |
| 配信設定と変更履歴 | 予算、入札、地域、除外、変更日時と理由 | 過去に失敗した設定を、理由を知らず戻してしまう |
| 制作物と利用条件 | 広告・LP・画像の編集元、使用中の素材、利用できる範囲 | 広告案があっても修正や継続利用ができない |
| 分析と顧客情報 | 集計条件、対象外の問い合わせ、試した訴求と結果 | 低い獲得単価だけを見て、質の悪い問い合わせを増やす |
| 引き継ぎ日の役割 | 誰がいつまで変更するか、異常時の連絡先、戻す手順 | 社内と代理店が同時に設定を変え、原因が追えなくなる |
パスワードを共有する方法ではなく、各サービスのユーザー招待や権限設定を使います。既存アカウントを使えるかは契約・管理関係を確認し、安易に新規作成して履歴を捨てないようにしてください。
引き継ぎは、次の順で進めると確認しやすくなります。
- 同じ実績を再集計する。 対象期間、成果の定義、集計日をそろえ、代理店のレポートと差が出る理由を説明できる状態にする。
- 一つの改善案を並走して作る。 配信操作は現在の担当者に残し、社内とAIで根拠・広告案・実施内容まで用意する。見落としと修正にかかる時間を確認する。
- 決めた対象の操作を移す。 引き継ぎ日時と操作する人をそろえ、許可した変更だけを実施する。並走のために同じ広告を別アカウントで重複配信する必要はない。
- 一巡した結果で契約範囲を見直す。 集計、判断、制作、実施、結果確認が続けられ、担当者不在時の対応も決まってから、移す範囲を広げる。
「二週間たったから完了」と日数だけで区切らず、社内で一巡できたかを確認します。難しい計測や大きな配信変更だけ、引き続き外部の専門家に相談する形も選べます。
AIで内製化すると、本当に費用は減るのか
比較するのは、代理店手数料とAIの利用料だけではありません。社内の準備・確認・修正・障害対応の時間、残す外注費、初期の移行費も含めます。
ただし、社内の作業時間を、内製化後もずっと同じと考える必要はありません。担当者が毎回データを集め、AIへ貼り付け、原稿を別の画面に転記するところまで担うなら、外注費が社内の作業へ移るだけになりがちです。
エージェントにデータ取得、集計、改善案づくり、制作、記録までつなげて任せれば、その準備や転記も減らせます。担当者の仕事は、完成したものを根拠と一緒に見て、採否や例外を判断する方へ寄せられます。
次は、同じ広告業務を続ける想定で比べた架空の月額例です。すべて試算用の仮定で、MyMarketerの実測工数や料金相場ではありません。 広告配信費は三案とも同額として除いています。
| 費用・時間 | 外注を続ける | AIで制作の一部を内製化 | エージェントで集計・制作・記録も自動化 |
|---|---|---|---|
| 代理店・外部専門家への費用 | 80,000円 | 20,000円 | 20,000円 |
| 追加のAI・ツール費 | 0円 | 10,000円 | 20,000円 |
| 社内の準備・確認・作業時間 | 4時間 | 12時間 | 4時間 |
| 社内時間を1時間3,000円で換算 | 12,000円 | 36,000円 | 12,000円 |
| 合計 | 92,000円 | 66,000円 | 52,000円 |
右端の案は、たとえば集計・転記に3時間、制作の手作業に3時間、報告・記録に2時間かかっていた部分をエージェントへ移し、人の作業を月12時間から4時間へ減らす想定です。残る4時間は方針・成果物の確認と例外対応に使います。エージェントが処理している時間と、人が手を動かす時間は分けて考えます。
この仮定なら、追加のツール費が月1万円増えても、社内時間の換算額は2万4千円減るため、部分内製化より比較額は月1万4千円下がります。外注を続ける案との差は月4万円です。
どの案でも、初期の引き継ぎ・接続・手順づくりの費用は別に見積もります。仮に初期費用が9万円なら、社内時間を含む比較額の差で回収する目安は、部分内製化が約3.5か月、エージェントを使う案が約2.3か月です。実際には自動化する範囲が広いほど初期設定や保守が増える場合もあるため、同じ9万円で済むと決めつけず、自社の費用に置き換えてください。
反対に、エージェントを入れても確認・手直しに月12時間かかるなら、右端の案は月76,000円となり、部分内製化より高くなります。どこまで任せたかと一緒に、使える状態になるまでの人の時間を記録することが必要です。
現金支出の差も別に見ます。右端の案は外注費8万円が外部費用2万円+ツール費2万円へ変わるため、現金支出は月4万円減る計算です。給与がそのまま減るという意味ではありません。社内時間の換算は、担当者が他の仕事に使える時間も比べるためのものです。
また、手数料が減っても、広告の成果が悪化して利益が減れば、内製化が得だったとは言えません。費用と一緒に、有効な問い合わせ、商談・購入、継続顧客など、自社の成果を追います。
僕らも、制作・分析の実作業の多くをエージェントに任せている
MyMarketerの自社マーケティングでも、僕らは制作・分析の実作業の多くをエージェントに任せています。人が毎回資料を集め、細かく手順を指示し、一から原稿やレポートを作る時間を減らす使い方です。
身近な例が、この記事の制作です。僕がテーマを選ぶと、エージェントが自社の戦略や過去のやりとりを参照し、検索結果と公式資料を調べ、構成・本文・閲覧用のページまで作りました。別のエージェントによるレビューも行い、そこで見つかった「結果を見て次にどうするかが曖昧」という指摘を、本文の判断例まで直しています。
僕が行ったのは、テーマを決め、出来上がった記事を読み、「社内作業もエージェントで圧縮できることと、自社の実践を加えてほしい」と伝えることです。その追加指示を受けて、記録の確認、費用例の修正、本文への反映もエージェントが進めています。
| この制作でエージェントが進めたこと | 僕が判断したこと |
|---|---|
| 戦略・既存記事・検索結果・公式資料を調べる | 取り上げるテーマと読者に伝えたいこと |
| 具体例、計算、広告文、記事原稿を作る | 記事として納得できるか、足りない観点は何か |
| 別担当でレビューし、不足を修正する | 自社の実態と説明が合っているか |
| 閲覧用ページと根拠の記録を更新する | 公開するかどうか |
広告に関わる仕事でも、分析記録、クリエイティブの仕様、制作素材、入稿・変更履歴を残して運用してきました。たとえば2026年6〜7月のMeta広告では、広告の差し替えやLP変更と、その後の数値を記録しています。次に分析するときには、数字だけでなく「前に何を変えたか」も参照できます。これらは過去の運用記録で、現在の配信状態や、すべての工程が無人で動いていることを示すものではありません。
僕らが実践している「ほぼ自動化」は、こうした制作・分析の作業を広くエージェントへ渡し、人は方向と出来上がったものを判断する進め方です。修正が必要なら、その理由も次の仕事で使えるように残します。毎回、担当者が作業の間に入って転記し直す負担を減らしていくわけです。
なお、自社の人の作業時間を工程ごとに計測した削減率は、ここでは提示していません。前の表の「月4時間」は、この実践から測った値ではなく、費用を比べるための仮定です。自社でも同じ時間になるかは、接続できる情報、成果物の品質、確認・修正の量を見ながら確かめてください。
最初は、今の広告の「一つの改善」を社内で完結させる
まず、現在のレポート、広告、LP、問い合わせ後の結果をそろえて、改善したいことを一つ選んでください。
今回の例なら、「個人からの問い合わせが多い」という問題に対し、データを確かめ、対象の伝え方を選び、広告文とLPを直し、その結果を見るところまでが一つの仕事です。ここまでできれば、どの工程に時間がかかり、何をAIへ任せられ、どこに専門家が必要かが具体的に分かります。
広告以外の制作・営業資料まで内製化する場合の分担は、AIを使ったマーケティング内製化でも説明しています。
MyMarketerは、マーケターの実務スキルと事業の情報を、いつものAIでの戦略・制作・分析に使うための基盤です。対応する仕事やデータ接続は環境によって異なりますが、広告の方針、制作物、結果を次の仕事へ引き継ぐ体制を考えるときに利用できます。MyMarketerの仕組みと制作例
自社の資料や広告環境を使って、どの仕事をAIへ任せるかから整理したい方は、MyMarketerへお問い合わせください。現在の媒体、外注している仕事、内製化したい工程が分かると、必要な体制を具体的に相談できます。
著者について

山本至人
200社以上の中小企業マーケティングを支援。WHO-WHAT-HOWフレームワークをAIに組み込んだMyMarketerの開発者。株式会社WHAT代表取締役。東京大学松尾研AI経営修了。法政大学法学部卒業。映像制作事業やDtoCアパレルブランドなど複数の新規事業立ち上げにCMOとして携わる。2023年株式会社WHAT設立。外部CMOサービスにて多くの企業のマーケティング支援を実施。東京大学松尾研AI経営修了。
- 株式会社WHAT 代表取締役
- 東京大学松尾研 AI経営寄付講座 修了
- 複数企業の外部CMOとしてマーケティング支援を実施




