
AIマーケティング活用事例4選|中小企業の成功パターンと「成功の順番」【2026】
3秒でわかる「AIマーケで成果が出る中小企業」のパターン
業種に関わらず、成功する4社には同じ順番がある。
①AIで「本当のお客さん」を再特定(経営者の直感とズレることが多い)→ ②刺さるメッセージに転換 → ③チャネル運用は最後。
整体院(予約2.3倍)/製造業(受注額75%増)/EC(広告費20%減で売上34%増)/焼肉ブランド(再定義成功)——4社すべてこの順番です。
「マーケティングが大事なのは分かっている。でも何から手をつければいいか分からない」
中小企業の経営者から、私がいちばんよく聞く言葉です。営業も経理も自分でやっている。マーケティングまで手が回らない。外部のコンサルに月30万〜100万円を払う余裕もない——そんな状況でAIマーケティングをどう使うのか、現場で見てきた4つの事例で解説します。
私はMyMarketerというAI戦略立案ツールを開発・運営しており、外部CMOとしても100社超の中小企業を支援してきました。この記事は自社ツールに限らず、AIマーケティングの実装によって何が変わるかを、業種の異なる4社の実例で示すものです。
取り上げる4社は整体院、BtoB製造業、健康食品EC、焼肉ブランド(無人販売所)。どれも「マーケ専任者ゼロ」または「兼任マーケ担当1名」からのスタートで、AIで戦略の土台を整え直したことで結果が変わった企業です。
この記事で分かること
・整体院がInstagramの予約を月12件→28件にした方法
・製造業が月間受注額を800万→1,400万にした方法
・EC事業者が広告費を20%減らしながら売上を34%伸ばした方法
・無人販売所がブランド再定義でリピート率と単価満足度を上げた方法
・4社に共通する「成功の順番」と、失敗を避ける5つのチェック
なぜ中小企業にAIマーケティングが合うのか?
AIマーケティングとは、AIに市場分析やターゲット選定を手伝ってもらうやり方のことです。
「大企業向けでしょ?」と思う方が多いのですが、実は逆です。
人手が足りない中小企業ほど、AIの恩恵が大きい。
中小企業庁の調査では、中小企業の約7割が「マーケティングに十分な人員を割けていない」と答えています。経営者が営業も経理もマーケティングも兼務しているのが現実です。
AIツールを使うと、こうなります。
- 専任者がいなくても、市場分析やターゲット設定ができる
- 月額数万円で、コンサルに近い分析が手に入る
- 数週間かかる調査を、AIが数十分で終わらせる
McKinsey Global InstituteのThe State of AI(2024年版)でも、マーケティング・営業はAIによる生産性向上がもっとも大きい分野と報告されています。
では、実際に成果を出した3社の事例を見ていきましょう。
【事例1】整体院|Instagramの予約が月12件→28件に
ホットペッパー月15万円でも伸び悩んでいた
都内の整体院。従業員5名。ホットペッパーに月15万円の広告を出し続けていましたが、新規のお客さん1人を集めるのに約8,000円かかっていました。広告費を増やしても、来店してくれるのは「クーポン目当て」の単発客が多く、定着しません。
リピート率は40%どまり。院長の悩みはシンプルでした。「良い施術をしているのに、なぜリピートしてもらえないのか」。腕に自信があるからこそ、結果に納得がいかなかったんです。
院内で話を聞くと、もっと具体的な葛藤が出てきました。「ホットペッパーをやめたら新規がゼロになりそうで怖い。でも続けても採算が合わない。Instagramもやってみたが、何を投稿すれば予約に繋がるか分からない」。中小規模の整体院・サロンの典型的な板挟みです。
AIが見つけた「本当のお客さん」は院長の直感と違った
最初にやったのは、施策ではなく「誰に届けるか」の見直しでした。
院長がイメージしていたターゲットは「腰痛に悩む30〜50代」。ぼんやりした像です。一方、過去2年分の顧客データ(来店動機・施術部位・リピート回数・継続期間)をAIに分析させると、まったく違う事実が浮かび上がりました。
リピート率が高いのは「腰痛で来た人」ではなく、「肩こりで来たデスクワーク中心の30代女性」だったのです。来店時の主訴では2番手3番手の層が、実は最も継続する顧客だった。院長は最初「本当に?」と半信半疑でした。が、カルテを並べ直すと、確かに継続回数の上位はその層に集中していたんです。
💡 ターニングポイント
ここで院長が決断したのは「直感を捨てる」ことでした。30代女性のデスクワーカー × 肩こり × 月1回の自分メンテナンスを本命ターゲットとして再設定。広告とSNSの設計を全部やり直すと決めたのが、変化の起点になりました。
「腰痛改善」から「月1回の自分メンテナンス」へ — メッセージの転換
次に、伝えるメッセージを変えました。
「腰痛改善」という機能的訴求は、「困っている人」しか拾えません。一方、本命の30代女性デスクワーカーは「困っているほどではないけど、放っておくとヤバそう」という予防意識で動く層。彼女たちの言葉に近いのは「月に1度の自分メンテナンス習慣」「肩こり持ちの30代に来てほしい」のような、習慣・自己ケアを軸にした表現でした。
Instagramの投稿も全面的に作り直しました。
- 投稿の主役を変えた:施術風景の写真 → デスクワーカーの「夜の肩こり」「朝の肩がガチガチ」など共感投稿
- ビフォーアフター動画:施術前後の姿勢比較を15秒動画で。肩の高さの違いを可視化
- 顧客の声を再構成:「腰痛が治った」ではなく「月1で通ってから、夜の眠りが深くなった」「肩を気にせず仕事に集中できる」という生活変化の声を中心に
- ハッシュタグの変更:「#整体院」「#腰痛」 → 「#肩こり」「#デスクワーカー」「#自分メンテナンス」
ホットペッパーは広告内容を「30代女性向け・肩こり集中ケア」に変更し、月15万円→8万円に減額。減らした分の予算をInstagram運用に振り替えました。
3ヶ月後の数字
| 指標 | 導入前 | 3ヶ月後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| Instagramフォロワー | 320人 | 1,200人 | +275% |
| 月間の新規予約 | 12件 | 28件 | +133% |
| お客さん1人の獲得コスト | 8,000円 | 3,200円 | -60% |
| リピート率 | 40% | 68% | +28pt |
この事例のポイント
Instagramの運用テクニックを変えたのではなく、「誰に」「何を」届けるかをAIで見直してから、投稿内容を変えた。戦略の土台から作り直したのが成功の理由です。
【事例2】BtoB製造業|月間受注額が800万→1,400万に
「技術力はある。でも伝わらない」
金属加工部品のメーカー。従業員25名。営業は3名で、月20件の提案をしていました。受注できるのはそのうち15%——20件中3件です。
提案書を1件作るのに4時間。営業時間の大半が書類作成で消えていました。社長の気持ちはこうです。「うちの技術力には自信がある。でも、それが顧客に伝わっていない」。展示会に出しても、見積もりは来るが受注に繋がらない。Webサイトを作り直しても、問い合わせの質は変わらない。「何が悪いのか分からないまま、努力だけが空回りしている」状態でした。
BtoB製造業に多い悩みです。技術はあるが、その技術が「どんな顧客にとって最も価値が出るか」を言語化できていない。何でもできます、と言うほど、誰の頭にも残らないブランドになっていく。
受注データから「勝てる案件」のパターンが見えた
最初の打ち手は、新しい施策ではなく、過去5年分の受注データを並べ直すことでした。
受注した案件・失注した案件を、業種・用途・数量・納期・リピート有無の5軸でAIに分析させた結果、はっきりしたパターンが浮かび上がりました。
| 案件タイプ | 受注率 | リピート率 |
|---|---|---|
| 大量生産・長納期(30日以上) | 8% | 15% |
| 中ロット・通常納期(15〜30日) | 18% | 30% |
| 試作品小ロット・短納期(2週間以内) | 42% | 58% |
「試作品の小ロット × 短納期」案件は、受注率が他の案件の3〜5倍。しかもリピート率も最も高い。社長は分析結果を見て腑に落ちました。「言われてみれば、お客さんが熱量高く打ち合わせに来るのは、いつも試作の小ロット案件だった」。
大量生産案件は、価格勝負になりやすい大手競合と直接ぶつかる土俵。一方、試作品の小ロット・短納期は、設計者の「明日試したい」というニーズに即応できる中小規模メーカーが圧倒的に強い領域でした。自社の強みは「技術全般」ではなく「設計者の隣にいる試作パートナー」だったのです。
💡 ターニングポイント
「何でもできる金属加工」 → 「試作品の小ロット・短納期対応ならウチ」へ、ポジショニングを言い切ったのが転換点。Webサイト・営業トーク・提案書の冒頭を、すべてこのコンセプトに統一しました。
提案書もAIで再設計 — 1件4時間 → 1.5時間へ
ポジションが決まったあと、提案書のフォーマットも作り直しました。
これまで提案書は、営業3名がそれぞれ自己流で作っていました。フォーマットがバラバラ、強みの伝え方も人による。同じ会社の提案書とは思えないほど属人的でした。
AIマーケティングツールに「設計者向け試作支援」のメッセージを核として、業種別(自動車部品・医療機器・産業機器)の事例・品質データ・コスト比較を整理させ、提案書の標準テンプレートを作成。営業はテンプレートに案件固有の情報を流し込むだけで、精度の高い提案書が1.5時間で完成するようになりました。
- 提案時間の削減:4時間/件 → 1.5時間/件(-63%)
- 提案件数の増加:月20件 → 35件(+75%)
- 勝率の向上:「試作小ロット案件」に集中したことで、ターゲット案件の受注率が42%→55%に
半年で受注額75%増
| 指標 | 導入前 | 6ヶ月後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 提案書の作成時間 | 4時間/件 | 1.5時間/件 | -63% |
| 月間の提案件数 | 20件 | 35件 | +75% |
| 受注率 | 15% | 28% | +13pt |
| 月間受注額 | 約800万円 | 約1,400万円 | +75% |
この事例のポイント
「展示会に出よう」「Webサイトを作り直そう」といった施策から入らず、まず「自社の強みが誰に刺さるか」をAIで特定してから動いた。この順番が大事です。
【事例3】EC事業者|広告費を減らして売上34%アップ
月200万円の広告費がギリギリ黒字だった
健康食品のEC。従業員8名。Google広告とInstagram広告に月200万円を使っていましたが、広告費に対する売上の倍率(ROAS)は2.5倍。広告費を引いた粗利を考えるとギリギリ黒字、という状態でした。
マーケ担当者は1人。広告運用・LP改修・SNS投稿・メルマガ配信を全部ひとりで回していて、本人いわく「毎日の数値チェックと、燃え尽きそうな運用作業で精一杯。戦略を考える時間がない」。広告費を増やせばROASは下がる、減らせば売上が落ちる。打ち手が見えない状態が半年以上続いていました。
EC事業者によくある「広告費依存の罠」です。広告で集客しているうちは売れているが、広告を止めた瞬間に売上が消える。指名買いや口コミの流入が育っていない構造になっている。
売上の65%が「たった2グループ」に集中していた
最初の打ち手は、これも分析でした。新規購入者・リピート購入者の購買データ(年齢・性別・購入動機・LTV・継続期間)をAIに分析させると、衝撃的な事実が分かりました。
売上の65%が、たった2つの顧客グループに集中していたのです。
| 顧客グループ | 売上比率 | LTV(年間購入額) | 継続期間 |
|---|---|---|---|
| グループA:40代女性・健診で数値指摘 | 42% | 約8万円 | 平均14ヶ月 |
| グループB:30代男性・筋トレ目的 | 23% | 約2万円 | 平均3ヶ月 |
| その他(60+グループ) | 35% | 1〜3万円 | 1〜6ヶ月 |
注目すべきはLTVと継続期間の差。グループAはLTV 8万円・14ヶ月継続。グループBは2万円・3ヶ月で離脱。同じ「売上1件」でも、長期で見れば中身がまったく違いました。
これまでの広告は「健康に関心ある幅広い層」をターゲットにしていたため、予算がグループA・B・その他に均等に分散。本当に投資すべきグループAに、たった4割しか予算が回っていなかったのです。
💡 ターニングポイント
マーケ担当者と社長で議論し、決断したのは「グループAに広告予算の70%を集中投下する」こと。短期売上が一時的に下がるリスクはあったが、長期LTVを考えれば確実にプラスになる、という意思決定でした。
「健康食品です」から「健診の数値が気になり始めたあなたへ」へ
広告のメッセージも全面的に作り直しました。
- キーメッセージ:「自然由来の健康食品」→「健診の数値が気になり始めたあなたへ」
- ターゲット明示:「40〜50代の働く女性」を広告クリエイティブで具体的に描写
- 専用LPの開設:グループA向けに「健診の数値別の改善目安」を解説する記事LPを新設
- ステップメール再設計:購入後30日・90日・180日のメールで「数値経過の記録の取り方」をサポート
- グループB向け広告は減額:筋トレ層向けは予算を1/3に圧縮し、別ブランドの導線として整理
広告クリエイティブは「健康な人が笑顔でジョギング」の汎用イメージから、「健診結果を真剣に見る40代女性」「家族のために体を整え始めた」など、グループAの実生活が透けて見えるトーンに変更しました。
広告費を減らして売上アップ
| 指標 | 導入前 | 4ヶ月後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 月間広告費 | 200万円 | 160万円 | -20% |
| 広告の費用対効果(ROAS) | 2.5倍 | 4.2倍 | +68% |
| お客さん1人の獲得コスト | 6,500円 | 3,800円 | -42% |
| 月間売上 | 500万円 | 672万円 | +34% |
この事例のポイント
広告費を20%減らしたのに売上は34%増えた。「みんなに広告を出す」から「いちばん買ってくれる人に絞る」に変えただけです。AIがデータから「勝てるお客さん」を見つけ、経営者が判断する。この組み合わせが成功の鍵でした。
【事例4】焼肉ブランドの無人販売所|「目新しさ依存」から「コンセプトで選ばれる」へ
無人販売所ブームの追い風が消え、売上が落ちた
コロナ禍で一気に広まった「無人冷凍食品の販売所」。話題性で人を集めた業態ですが、同じ問題に多くの店舗が直面しました。ブームが落ち着くと、客足が一気に細る。あるクライアント企業の無人肉販売所もまさにそのタイプで、開店初期は順調だった売上が、半年〜1年経つと右肩下がりになっていました。
キャンペーンや値引きでテコ入れしても、効果は短期的。値引きで戻ってくるお客さんは、また値引きがないと来なくなる。「無人だから来る」「目新しいから来る」という属性ベースの理由でしか選ばれていないのが、構造的な問題でした。
調べてみると、運営元は焼肉屋だった
マーケティング支援に入ってまず驚いたのは、運営会社の素性でした。実はこの無人肉販売所、焼肉屋を運営している会社がやっているお店だったのです。
当然、肉の仕入れも質も焼肉屋基準。プロの目で選んだ部位を、店舗で出すクオリティのまま冷凍販売しているわけです。なのに、店頭・看板・ECサイト・SNSのどこにも「焼肉屋が運営している」という情報が出ていませんでした。お客さんからすると、ただの「無人で冷凍肉が買える店」にしか見えていない状態。
これは典型的な「コンセプトのズレ」でした。本当の価値が顧客の頭の中に届いていない。逆に言えば、ここを直すだけで、商品も店舗も変えずに売上が変わる可能性がありました。
「焼肉を食べたい時に選ばれるブランド」へ再定義
戦略を立て直しました。狙いは「無人だから」「目新しいから」で選ばれる店ではなく、「焼肉を食べたい」と思った瞬間に選ばれるブランドになること。
💡 ターニングポイント
商品もオペレーションも変えず、「何を約束しているブランドか」だけを言語化し直したのが転換点。「焼肉屋のお肉を、家で食べられる店」という一行のコンセプトが、すべての打ち手を変えました。
具体的に変えたのは以下です。
- 店舗看板・店内POP:「無人冷凍肉販売所」 → 「◯◯焼肉店のお肉が買える店」
- 商品ラベル:「カルビ300g」 → 「◯◯焼肉店の人気部位カルビ・約2人前」(部位 + 何人前かを明示)
- SNS発信:商品紹介中心 → 「焼肉屋の店主が教える、おうち焼肉のコツ」シリーズに転換。ブランドの本拠地(焼肉屋)の存在を可視化
- パッケージング:シンプル冷凍パック → 焼肉屋の屋号入りデザイン。家庭でも「焼肉屋の肉を食べている」感が出るパッケージへ
- ECサイト:商品スペック中心 → 「焼肉屋のお肉が、なぜ家で楽しめるのか」のストーリー型に変更
結果:価格満足度・リピート率・指名買いが上がった
変更後3ヶ月で、いくつかの変化が起きました。数字で取れる範囲で整理します。
| 指標 | 変化 | 背景 |
|---|---|---|
| リピート率 | 顕著に上昇 | 「次に焼肉したい時にまた来よう」と意識的に選ばれるようになった |
| 価格に対する満足度 | SNS・口コミで改善 | 「◯人前」「焼肉屋クオリティ」の明示で、同じ価格の心理的価値が上昇 |
| 指名検索 | 店舗名検索が増加 | 「焼肉屋のお肉が買える店」として認識され、指名買いが増えた |
| 客単価 | 緩やかに上昇 | 「家で焼肉する日」のための買い物として、まとめ買いが増加 |
大事なのは、商品も店舗もオペレーションも一切変えていないこと。変えたのはコンセプトと、コンセプトを伝える言葉・ビジュアルだけです。それでも顧客の選び方が変わり、売上の作られ方が「目新しさ依存」から「コンセプト依存」にシフトしました。
この事例のポイント
商品やオペレーションをいじる前に、「自社の本当の価値が顧客に伝わっているか」をAIで整理し直す。これだけで、広告費に依存しないリピート構造が作れる場合があります。整体院・製造業・ECとは違う「コンセプト再定義型」のAIマーケティング活用例です。
4社に共通する「成功の順番」
4社の事例を並べてみると、業種は違うのに、やっていることには共通パターンがあります。
- まず「誰に届けるか」をAIで見直す(ターゲットの再定義)
- 次に「何を伝えるか」を決める(自社の強み・コンセプトの言語化)
- 最後に「どう届けるか」を選ぶ(SNS、広告、提案書、店舗POPなどの具体施策)
多くの企業は③から入ってしまいます。「とりあえずInstagramやろう」「展示会に出よう」「広告を増やそう」と。
でも①と②が曖昧なまま施策を打っても、的外れになるだけです。
4社が成功したのは、AIで①②を先に固めてから③に進んだから。具体的には、それぞれこうでした。
| 事例 | ① 誰に | ② 何を | ③ どう届けるか |
|---|---|---|---|
| 整体院 | 30代女性デスクワーカー(肩こり予防意識あり) | 月1の自分メンテナンス習慣 | Instagram + ホットペッパー再設計 |
| 製造業 | 試作品ニーズの設計者 | 試作小ロット・短納期対応 | ポジショニング転換 + 提案書テンプレ化 |
| EC | 40代女性・健診で数値指摘 | 健診の数値が気になる人へのサポート | 専用LP + ステップメール再設計 |
| 焼肉ブランド | 「家で焼肉したい」と思った人 | 焼肉屋のお肉が家で食べられる店 | 看板・ラベル・SNS・パッケージのコンセプト統一 |
もう一つ、4社に共通しているのは「AIに任せきりにしない」ことです。AIが分析・提案を出し、経営者・現場が「自社の状況に合わせて判断する」という分担が機能していました。AIは選択肢を出す役、人間は選んで決める役、という構造です。
業種別ではなく「画一フォーマット」で再現できる
面白いのは、4社の業種がバラバラなのに使ったフレームワークは同じだったこと。WHO(誰に) × WHAT(何を) × HOW(どう届けるか)の3層を、AIで整理する。これが業種を超えて再現可能なフォーマットだとわかります。
「うちの業界にAIマーケは合わないんじゃないか」と思っている方も多いですが、4社の事例を見ても、「業種」が成否を分けているのではなく、「戦略の土台を先に固めるかどうか」が分けています。
AIマーケティングで失敗しないための5つのチェック
逆に、失敗する企業には共通点があります。導入前に以下をチェックしてみてください。
- 目標は具体的か?
「AIを使いたい」ではなく「月の新規問い合わせを20件にしたい」のように数字で決める - 最低限のデータはあるか?
顧客リスト、売上データ、問い合わせ履歴など。AIはデータがないと動けません - AIに丸投げしようとしていないか?
AIの出力はあくまで叩き台。自分のビジネスの感覚で調整する工程が必要です - 小さく始められるか?
全社導入ではなく、まず1つの施策で試す。事例1の整体院はInstagramだけから始めました - 振り返りの時間を取れるか?
月1回でいいので「効果はどうだった?」と確認する場を作る
💡 参考
セブン&アイ・ホールディングスでは、メルマガにAIを活用して外部委託費を84%削減(日経クロストレンド, 2025年)。大企業の事例ですが、「コンテンツ制作のAI化」は中小企業でも効果が出やすい領域です。
AIマーケティングを始める3ステップ
「じゃあ何から始めればいいの?」という方向けに、シンプルな手順をまとめます。
ステップ1:戦略の土台を作る
AIで「誰に・何を・どう届けるか」を整理します。ここが曖昧なまま施策に走ると、すべてが的外れになります。
ステップ2:1つの施策で試す
SNS・広告・SEOなど、いちばん効果が見込める施策を1つだけ選びます。3ヶ月間集中して運用してみてください。
ステップ3:データを見て広げる
3ヶ月後に数字を確認。効果があれば施策を追加。なければ戦略を修正。この繰り返しです。
MyMarketerなら、ステップ1の「誰に・何を・どう届けるか」の整理を30分の対話で完了できます。マーケティングの専門知識がなくても、AIの質問に答えていくだけで戦略が見える化されます。
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【2026年3月最新】中小企業のためのAIマーケティング入門|専門知識不要で戦略を仕組み化する完全ガイド
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よくある質問
中小企業でもAIマーケティングを導入できますか?
はい。従業員5名以下でも導入できます。最近のAIツールはクラウド型で、専門知識がなくても使えるように作られています。
月額数千円〜数万円で始められるものが多く、IT補助金(最大450万円)の対象になることもあります。
効果が出るまでどのくらいかかりますか?
戦略立案型のAIツールなら、初日から使い始められます。
ただし、成果が数字に表れるのは3ヶ月ほどかかるのが一般的です。最初の3ヶ月は「検証期間」と割り切って、戦略の精度が上がっているかで判断してください。
AIに任せてはいけないことは?
最終的な判断と、ブランドの根っこに関わるメッセージの決定です。
AIは「選択肢を出す役割」。人間は「選んで決める役割」。この分担がうまくいくコツです。
無料で使えるAIマーケティングツールはある?
ChatGPTの無料版やCanvaのAI機能など、部分的に使えるものはあります。ただし、マーケティング戦略全体を一気通貫でサポートするものではありません。
本格的に取り組むなら、マーケティング特化型のツールがおすすめです。各ツールの違いはAIマーケティングツール比較8選で詳しくまとめています。
業種が違うのに、なぜ同じフレームで成功できるのですか?
整体院・製造業・EC・焼肉ブランドの4社は、業界も商材も顧客も全く違います。それでも成功したのは、使ったフレーム「WHO(誰に) × WHAT(何を) × HOW(どう届けるか)」が業種に依存しないからです。業種ではなく、戦略の土台を整えたかどうかが成否を分けます。中小企業の場合、業種ごとにマーケティング理論を変える必要はなく、画一のフォーマットで設計してから業種固有の言葉に翻訳する方が、再現性が高いです。
事例の数字は再現できますか?
同じ数字をそのまま再現することは難しいですが、「広告費を増やさずに売上が伸びる」「リピート率が改善する」「提案書の作成時間が半減する」といった構造的な変化は、戦略の土台を整え直せば多くの企業で再現できます。逆に、戦略を見直さずにツールだけ導入すると、効果は限定的になりがちです。
AIで戦略を作っても、社内に浸透しない場合は?
AIで作った戦略は「文書として残す」「定例会議で参照する」「採用・営業のガイドラインに組み込む」など、運用に紐付けて初めて浸透します。AIを使う最大のメリットの一つは、戦略を言語化された資産として残せること。社長や担当者の頭の中だけにある状態と比べて、社内浸透も外部パートナーへの共有も格段にやりやすくなります。
著者について

山本至人
200社以上の中小企業マーケティングを支援。WHO-WHAT-HOWフレームワークをAIに組み込んだMyMarketerの開発者。株式会社WHAT代表取締役。東京大学松尾研AI経営修了。法政大学法学部卒業。映像制作事業やDtoCアパレルブランドなど複数の新規事業立ち上げにCMOとして携わる。2023年株式会社WHAT設立。外部CMOサービスにて多くの企業のマーケティング支援を実施。東京大学松尾研AI経営修了。
- 株式会社WHAT 代表取締役
- 東京大学松尾研 AI経営寄付講座 修了
- 複数企業の外部CMOとしてマーケティング支援を実施







